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「私」の存在の無根拠さ〜親〜

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恐山菩提寺院代の南直哉さんの話を聞いて自分の存在理由(reason detail)について久しぶりに考えた。いや、この書き方は正確でなない。というのも僕はそんなものは無いということを元々知っていたから「存在する理由は何だろうか?」と考えたのではなく「やはり存在する理由なんて無いのだ」と改めて確信したということだ。

「何の為に生きるのか」「何の為に生まれてきたのか」「何の為に存在しているのか」、これらの問いは「理由」があるということを前提にした問いであり、その意味ではナンセンスとも言える。

5年くらい前に電車の中で「自分を選んで生まれてきた」というような意味のタイトルの本の広告を目にしたが、当時は自分の心を支配していたある種の虚無的な気分もあり吐き気がした。生まれてくる子どもがどうして親を選べるのか。子どもが親を選べるはずがない。ただの弱い生命体として生まれてくるだけだ。自意識すらままならないのに親を「選ぶ(choose)」ことは出来ない。生まれて数年経って物心ついてきた頃に自分を育ててくれる大人を漠然と「親」と認識するだけだ。

この「選ぶ」という意味において親は子どもを選ぶことが出来る。要するに産むか産まないか、産んでも自分で育てないで養子に出すか、ということだ。つまり、所有の構造から考えれば子どもは親の所有物だ。つまり「選ぶ」のは親だ。

でも重要なのはそんなことじゃない。重要なのは親が子ども産んだからといってそれが「この私」である理由は見つからないということだ。親が産んだのは「子ども」であり「この私」ではない。親が名前を付けたのはその「子ども」に対してであって、「この私」に対してではない。親が育てているのは「子ども」であって「この私」ではない。言い換えれば親にとっては「子ども」が「この私」かどうかなんてことはどうでもいいことで、つまり、「私」が存在する理由を親に求めることは出来ない。

 

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