【読書感想】「政権奪取論〜強い野党の作り方」橋下徹

2018年11月9日

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初めて読む橋下徹の著作

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実は橋下さんが書いたものを読むのはこれ「政権奪取論」が初めてだった。大阪市長時代の橋下さんを批判する本がたくさんあるのは知っていたが、橋下さん自身が本を出していること自体もあまり知らなかった。

橋下さんの著作

なかなか気になるタイトルだ。

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これは最新刊。憲法学者の木村草太氏との対談本。二人は全く意見が異なるのでかなりばちばちやっている。

「政権奪取論」総評

「政権奪取論」はタイ旅行に行く始発の電車の中で読み始め、帰りの飛行機の中で読み終わった。

タイトルにもあるようにこの本の中心的な内容は「政権を奪るためにどのように強い野党を作っていくか、なぜ今強い野党が必要なのか」である。

政権奪取」と言われるといかにも政治的な内容に聞こえるが、別に現職の政治家に向けて書かれたのではない。むしろ我々有権者にとっては、日本の未来を考えた時に、選挙でどういう動機でどの党に投票すれば良いのかを考えさせてくれるような内容と思う。

意外と長いが読みやすい

読み終わった感想は「意外と長かった」である。kindle版を買ったので「読み終わるまであと〜時間」という表示が常に出るのだが、結局3〜4時間はかかったのかも知れない。

でも途中で眠くなることはあっても飽きてしまうことはなかった。というのも堅い政治の文章を読んでいるというより、むしろ橋下さんが目の前で強く語りかけてくるような砕けた口語調なので、スラスラと頭に入ってくるからだ。

普通の学者やインテリからしたら、橋下さんの文章はレトリックの観点ででかなり幼稚な文章なのかも知れない。初めから終わりまで文語ではなく口語で書かれている。でもその分スラスラと読めるし、頭でスッキリ理解出来る。難しくて読み進められなかった箇所は一つもない。

橋下さんの考え方

この本を読めば分かるし、そうでなくともアベマTVを見ていれば分かるが、橋下さんのものの考え方を端的に言ってしまえば未来志向合理型だ。現状に満足するのではなく、未来の日本人のために政治はどうあるべきなのか、このことを常に考えている。

これは大阪市長時代からもずっと一貫している。無料敬老パスを廃止したのも、大阪市内の小学校、中学校にエアコンがほとんど設置されていないことからだった。

よく橋下さんの人格批判をする人間がいるが、こういう人はとにかく現状が変わるのが嫌なんだろう。でもよくよく考えれば橋下さんが日本の将来を第一に考えていることはハッキリしている。

これはきっと自身も子どもが7人いるからなのかも知れない。子どもがたくさんいれば自分の世代だけ楽しく生きれれば良いなんて考え方は起こらないだろう。

説得力

政治家の時の橋下さんには全く注目していなかったが、この本を読んでいると橋下さんはやはり人を説得する能力に長けているのだろうと思った。

その代表例が巧みなアナロジー(類比・類推)の使い方だ。特に橋下さんは役所の問題点を指摘する時に必ずと言って良いほど民間企業との比較を用いる。つまりは役所を民間企業に置き換えてみるのだ。

「民間企業でもしこんなことが起こったら〜」と言う風に、我々民間企業に務める一般人(私は違いますが)に向けて話すことで、役所で起こっている事の重大さが分かりやすくなり、共感が得られやすい。

このような巧みなアナロジーは橋下さんの発言を聞いていると随所に出てくるように思える。もしかしたらこれも弁護士として鍛えてきた説得術の一つなのかもしれない。

橋下さんは安倍政権に基本的に賛成

橋下さんは「はじめに」の冒頭でこう言っている。

僕は今の安倍政権の政治に基本的には賛成である。それは政策の中身というよりも実行力の点である。

これはアベマTVの橋下さんの番組なんかを見ていれば分かることだ。橋下さんが政治家を評価する最大の指標は実行力である。やるかやらないか。はっきり言ってしまえば内容は二の次だ。

橋下さんがインテリ学者やコメンテーターを罵倒する最大の理由もここにある。彼らはただ言論の場という安全地帯で自分の理想を述べて政治を批判するだけで実際には何もしない、というか何も出来ない。正しいことを言ってようが何も出来なければ現状は何も変わらない。

しかし政治家は現状を変える力(行政権)があるし、時には世間の批判を押し切ってでも変えなければならない。そして実行する人間が政治家として一人前と認められる。この点で、実際に大阪市長を務めた体験から橋下さんが安倍さんに基本的に賛成なのはそれほどおかしいことではない。

安倍政権の問題点

しかし安倍政権にもいくつも問題点があると橋下さんは言う。その多くはメディアでも連日報道されていた問題だ。森友・家計学園問題財務省に公文書の改ざん、陸上自衛隊の日報隠蔽問題。

さらに一般的にはあまり知られていない参議院の議員の定数を6増やす公職選挙法改正についても戦後最悪の法改正とこき下ろしている。

外形的公正性について

橋下さんは「家計学園問題」の箇所で外形的公正性という言葉に触れている。

なかなか聞きなれない言葉だったが、字面からして「外側から見て公正であること」という意味であることは明白であり、実際にそういう意味で使われているらしい。要するに「(実際は何もなかったとしても)外側から見て疑わしいことがあればそれだけで公正を欠く」ということだ。

家計問題で言えば、安倍さんが長年の友人である家計理事長と何度も飲食やゴルフを重ねていたにも関わらずに、その家計理事長が国家戦略特区の申請者であることを知っていなかったというのは蓋然性に欠け、友人でありながら特区申請の相談を受けなかったというのは信じられない、つまり外形的公正性がないのだ。

橋下さんによれば、この外形的公正性は司法の世界では常識であるらしい。例えば裁判長は自分の親族が被告人になった場合はどんなに公正に裁く自信があったとしてもその裁判を降りる。本人に自信があるかどうかではなく、国民がそれをどう思うかということに外形的公正性がないからだ。

今こそ強い野党が必要

上に揚げたような数々の問題点にも関わらずに支持率は40パーセント近くを保ち、安倍政権が余裕綽々でいるのはなぜか。それは、どんな問題が起ころうとも支持率が落ち込んだとしても政権が倒れる心配がないからである。

だからこそ今強い野党が必要なのだ、というのが橋下さんの主張である。与党をいつでも倒し、政権を奪えるような強い野党の存在こそが与党の緊張感を高め、有権者の意思を真摯に受け止め、問題が起こっても適切に対処するような党気が生まれる。それこそが健全な民主主義であり、そしてそれは日本全体にとってプラスになる。

そしてこの本の中には、「実際にどのようにして強い野党を作っていけば良いのか」が地方自治体の首長と国政政党の代表まで務めた橋下さんの経験を踏まえてかなり具体的に語られている。

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まとめ〜若い人に読んでもらいたい〜

政治の本を読んだのはかなり久しぶりだった。久し振り過ぎて前回いつ読んだのかも覚えていない。

元々現状の政治に興味が持てなかった。というのも正直なところ私が投票に行こうがいかまいか、何も変わらないからだ。今まで投票をしたのも一度きりである。

しかしそれではまずいということは分かっている。これからの日本をどうするのか。これから大人になる子どもたちはどうなるのか。もうすぐ超高齢社会を迎える日本で自分さえ良ければ良いとは言ってられない。現状維持ではいけないことは分かっている。しかし、自分が何をすれば良いのか分からない。

そういう人にこそ「政権奪取論」を読んでもらいたい。この本は強い野党の作り方を語ったり、今の安倍政権について分かりやすく批評しているだけでなく、もっと広い意味で「これからの日本をどうしていくのか」について考えさせてくれる。

上にも書いたが橋下さんの考え方は未来志向合理型だ。常に日本の将来の子どもたちについて考えてくれている。未来の子どもたちにとって日本はどうあるべきなのか、我々一般人も常にそのことを考えていかなければいけないと思う。

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Kindle版ならかなり安く買えるからおすすめだ。

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こちらは最近出たばかりの憲法学者の木村草太氏との対談本。考え方が正反対の二人の対談はどうなっているのか注目だ。

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