どうも。最近人生詰んでいてるものです。
先日久しぶりに高校の時の参考書を整理していたらこんなものを見つけました。
「ドラゴンイングリッシュ基本英文100」です。
かなり有名な参考書なのでこれで英語を勉強していたら人も多いと思います。
文法の解説が理解出来ない
懐かしいな〜。
と思いながら最初のページをめくるとこんな例文がありました。
It would be dangerous to drink two bottles of whiskey and drive a car.
ウィスキーのボトルを2本も空けて車を運転するのは危険だ。
なんともアメリカンな例文ですね。
ところで解説にはこの文の後半部分をthat節を使って
It would be dangrous that you drink and drive a car.
とするのは誤りと書かれています。
その理由は
driveのような「〜する」というタイプの動詞の現在形は「現在の習慣的行為」表すから、仮定的な気分を表すためにto(V)を使う。
(EX. I drive to work every day. 私は毎日車で会社に行きます。)
としています。
おそらく文法的には正しい説明を言っているはずです。これを読んで「なるほど」と思って勉強している高校生もいるはずでしょう。
おそらく当時の私もこの解説を読んで理解していたに違いありません。
しかし私はこの説明を聞いても全然しっくりきません。
今の私はthat節の例文を聴いたら
….なんか変じゃね?
と感覚的に違和感を覚えます。
この例文は確かに間違っている(っぽい)のですが、文法的に「かくかくしかじかの理由で間違い」と言われてもなんとなくしっくりこないのです。
でもこう言っちゃなんですが、私はアメリカにも住んでいたし、大学も外国語学部に所属していたしそれなりに英語力がある方です。
文法だって高校受験の時に一通りやって理解していたはずなのですが、今となってはなんかしっくりこない……。どうしてだろう。
ネイティブの基準って何?
大学で第二次言語習得関連の授業を取ると
「第二次言語学習者はいつになったらその言語を習得したと言えるのか?その基準は何か?」
という疑問について考えることがあります。
言い換えると
「ネイティブと同じレベルに達したと言える基準は?」
ということです。
デーブ・スペクターや厚切りジェイソンは日本語が堪能ですよね。
でも彼らは日本語がネイティブレベルと言えるのでしょうか?
ある外国語を学んでいる人がbeginnerレベルからintermediateレベル、そしてadvancedレベルになり、Naitveレベルになる基準はどこにあるのでしょうか。
違和感=言語習得の証?
私が思う「ネイティブレベルの基準」とはズバリ違和感です。
文法的にどこが間違っているとかではなく、その文章を読んだり、発話を聴いたりした時に
なんか変な感じだな。違和感あるね。
という感覚こそがその言語を習得した(ネイティブレベルに達した)基準なのではないかと思います。
つまり文法的にどうかではなく、単純に「自然な文章ではない」と感じる感覚こそがネイティブレベルの証なのだと思います。
もしデーブ・スペクターが日本人に対して「こいつ変な日本語喋ってるな」と思ったらその時点でデーブは日本語ネイティブと言ってもいいと思います。
文法を意識しないのがネイティブ
これは我々の母国語である日本語を例に考えてみればよくわかります。
当たり前ですが日本語は第一言語なので自然に喋ったり文章を書いたりすることが出来ますよね。
喋ったり文章を書いたりする時にいちいち文法を意識することもありません。
「文法から自由になる」ことこそがその言語のネイティブであることを象徴しているとも言えます。
「ネイティブ=文法に無意識」でなければいけないのです。
身に付いた言語を文法的に説明するのは難しい
しかし、普段から文法に無意識な故に、間違った日本語を使う外国人に対して文法的な指摘をすることも出来ません。
例えば知り合いの外国人が変な日本語で話しかけてきても
全然自然な日本語じゃないな
とは思いますが
これこれこういう理由で文法的におかしい!
と指摘するのは難しいですよね。むしろ
あんまりそういう使い方しないかな
というように文法的な間違いを指摘するのではなく、語用法の間違い(違和感)を指摘するはずです。
母国語である日本語は普段から文法を意識せずに感覚的に使っているので文法的な指摘は出来ないんですね。
文法は不必要
当たり前ですが文法は自然に身につくものじゃなくて、勉強して得られる知識です。
しかし知識がなくなって言葉は話すことが出来るし、自然に話す時にはむしろ文法のような知識は不要です。
自転車を漕いでいる時に「今は右足で漕いだから次は左足で漕ぐんだ」なんてことを考えながら乗っている人はいません。事故ります。
外国語習得にかかる時間は?
外国語を勉強している人が気になるのが「習得にかかる時間」ですよね。
一体「違和感」を持つようになるまではどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
しかし残念ながら外国語習得の長さには様々な要因が絡んでくるのに一概には言えません。
一般的には自分が既に習得している言語に近い外国語ほど習得が早いとされています。
例えば日本人にとって漢字が使われる中国語の読み書きは比較的簡単だと思います。
逆に文法も発音も日本語と全然違う英語は意外と時間がかかるのです。
これは日本語を勉強しようとするアメリカ人にも同じことが言えます。
あるデータによると英語母国語話者が日本語を学ぶ時には平均して2200時間以上勉強しなくちゃいけないんだとか。
まとめ
今回は外国語を習得する基準とかかる時間についてちょこっと紹介しました。
「文法的にじゃなくて単純に違和感を覚えたら言語を習得した証拠」と私は思いますが、単に私がそう思っているだけなので実際はわかりません。
でも多分「変な感覚」は外国語を習得しつつある証拠であることは間違いないと思います。
私は現在進行形でタイ語を勉強していますがまだまだ違和感を覚えることはありません。先は長いですね。
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