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コーヒー一杯160円の激安喫茶「マル屋」はオーナーが独特で面白い

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どうも。何の因果かフリーター生活をしています(これは僕が好きな芸人であるマザーテラサワさんの枕詞です)。

今大阪は西成に滞在しているのですが、二日目にしてどこに行けば良いのか迷ってしまいました。

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次にどこに行くべきか

あいりん地区も1日かけて徘徊したし、スーパー玉出にも行ったし、24時間営業の「わらじや」にも行ったし、通天閣も見たし、本場のたこ焼きも食べたし、さて何しよう?と思っていたところ、ツイッター上でこんなメッセージをもらいました。

彼女は西成に関しては誰よりもベテランなので、「きっと面白い場所に違いない」ということでゲストハウスの近所ということもあり次の朝に早速行ってみました。

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コーヒーショップマル屋へのアクセス

南海汐見橋線の西天下茶屋駅から徒歩ですぐのところにある銀座商店街。コーヒーショップマル屋はこの商店街の入り口に建っています。

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外観

角に建っているので見失うことはありません。ソフトクリームが目印です。レトロな雰囲気溢れるレンガ造りの建物で、この場所だけ時間から取り残されているような印象です。

まず「コーヒー安っ!!!」それから「ここって喫茶店じゃないの?なんで肉うどんあんの?」と(みんな)思います。それから「何で短冊みたいにメニューがかかってんの?」という疑問に移ります。この思考パターンは万国共通です。

ショーケースにはメニューの一覧があります。どれも恐ろしく安いです。全て300円以下という小学生低学年のお小遣いでもお腹いっぱい食べられる値段です。普通は倍以上してもいいじゃないか。

こっちのショーケースにはホットケーキが一つだけ。これもたったの80円です。

いざ中に入ろうとすると

押なソで」??

押しても開かなかったので、引きました。開きました。

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中の様子

ドアを開けて中に入るといきなり大声で「何にしましょか?」と聞こえてきます。「いらっしゃい」も「どうぞお入り下さい」でもなくいきなり「何にしましょか?」です。

声のした方に視線を移すとカウンターの奥からおじいちゃんマスターが立ってじっとこちらを見ていました。

どこに座ろうかと迷っていたところカウンターの奥からマスターが出てきて「こちらの席にどうぞ」と否応無しに手前の4人がけの席に案内されました。後から知ったのですが、お昼にはお得意さんが来るらしく予約席があるそうです。

席につくやいなや再び「何にしましょか?」と言われ、「えっと….」とまごまごしながらテーブルの上のメニューを手に取り愕然とします。

表面が手垢にまみれ、あらゆる箇所にセロハンテープが貼られています。どう考えても最近印刷されたばかりのメニューではありません。

中はこんな感じです。全てのメニューの値段が後から鉛筆で書き換えられていてとても見にくいです。大体全て値下がりしているようです。喫茶店の定番の食べ物の他に

  • カレーうどん250円
  • キムチうどん230円
  • そば飯270円
  • 焼きそば250円?
  • 天丼290円
  • 玉子丼250円

などなど。喫茶店というよりはもはや定食屋さんです。というか普通に「うどん定食」が載ってます。しかも全て激安です。

メニューをじっと見つめている間もマスターの無言の視線を感じています。すぐに決められなかったので、とりあえず外にも書いてあった250円のカレーライスを頼みました。するとマスターは

今はモーニングやけど。ここ喫茶店やし

と非常に意味深なトーンで言いました。決して嫌味ったらしい口調で言っている訳ではなくあくまで意味深なトーンです。全然悪い気はしません。

そこですかさず

「じゃあチョコレートパフェで」

と言うと

それは女の人が食べるものですけど」

と再び同じトーンで言いました。なので「モーニング」「男の人でも食べるもの」というキーワードから

「じゃあ小倉トーストで」と100パーセントの自信を持って言うと

小倉トーストはこんくらいで(指で大きさを作る)小さいで

「・・・じゃあコーヒーでお願いします…..」

いらんこと言ってすんません

「….はあ」

 この独特な会話のキャッチボールはここでしか体験することが出来ないので、もっと知りたい人は実際に自分で店に行ってみましょう。

結局最初に頼んだカレーライスとチョコレートパフェをオーダーしました。その後マスターがしきりに「ここは喫茶店やけどな」と全然嫌味には聞こえませんが、かなりしぶとく言ってくるので仕方なくコーヒーも追加でオーダーしました。

コーヒーはたった160円なので頼んだって全然構わないのですが、僕は普段ほとんどコーヒーを飲む習慣がないんです。

じゃあ250円と200円と160円で合計が610円になります

「えっ?今払うんですか?」

中々マスターが厨房に戻らないと思っていたら、なんとマル屋では前払いシステムが採用されていました。前払いシステムについて詳しくは教えてくれなかったのですが、多分昔に食い逃げされた経験があるのでしょう。

お金を払うと「それでは随時お持ちします」と言ってようやく厨房へと戻って行きました。「随時」なんて言葉を喫茶店で聞くとは思いもよりませんでした。

ナプキンはにされて出てきます。

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料理を待っている間

周りを見渡していると時間が45年くらい巻き戻しされた感覚になります。一言で言えば「昭和」です。来年「平成」が終わるなんて信じられなくなりますが、ちょうど店内のテレビで平昌オリンピックのフィギュアを生中継していたので平成30年に引き戻されました。

昔のコーヒーメーカーらしきものがテーブルの上に置いてあります。最初は蒸気機関かなんかだと思いました。

クーラーの上に扇風機が置いてある。

布に絵が描かれています。

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頼んだもの

・カレーライス(250円)

オーダーしてから10分くらいした後突然カウンターの扉がバタンと大きな音を立てて開いてマスターがゆっくりとこちらに近づいてきました。

お茶碗3杯以上ありそうな山盛りのご飯に黄身がトッピングされています。これが250円です。 

「ご飯は炭水化物だからそんなに食べたくないのに、しかも大阪に来てカレーか」と思いながらスプーンを取りました。

最初の一口は正直なところな微妙でした。なんか味が薄くて、カレー粉の匂いがなければカレーを食べているとは分からないくらいでした。

しかし食べ進めていくにつれ、だんだん美味しくなってくるんです。正確には全然美味しいとかじゃないんです(美味しいは美味しいんです)。だからいわゆるクセになるってやつなのかもしれません。恥ずかしながらこの歳になって初めて経験しました。

結局完食してしまいました。

・チョコレートパフェ(200円)

僕がカレーライスを食べ終わったとほぼ同時に再びカウンターの扉が勢いよく開いてチョコレートパフェを持ったマスターが出て来ました。

 これが200円だとまだ信じられません。ガストとかサイゼリヤとかでも600円とかするのに。

このパフェも普通に美味しかったです。生クリームが全然甘くなかったので、甘いものが苦手な僕にはとても合います。バニラアイスと下の方に埋もれているコンフレークの甘さだけで十分です。

若干残念なのはチョコレートパフェなのにチョコの要素が少なすぎることです。チョコのクリームとチョコのアイスが出てくると思っていたのでびっくりしました。

・コーヒー

最後にコーヒーが運ばれて来ました。

コーヒーに関してはノーコメントです。なんせコーヒーなんて3ヶ月に一度くらいしか飲まないので。でも甘いものを食べた後でちょっと苦味が欲しかったので美味しかったです。

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マスターと世間話

時間帯もあってか他のお客さんが全然来なかったので1時間くらい居座ってマスターと話していました(というか僕が一方的に話しかけたのですが)。

最初は口数が少なかったマスターですが、徐々に饒舌になってきて政治や人口減少の話題から西成の治安に至るまで色々なことについて話をしました。

ただマスター自身のことに関しては何を尋ねても「個人情報やから」と言って何も話してくれませんでした。「ATMの暗証番号と同じや」と言っていました(何が同じ何だろう?)。「創業何年か?」と聞いても個人情報だからと言って答えてくれませんでした。

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マル屋まとめ

メニューは激安、ボリュームもあり、しかも美味しいコーヒーショップマル屋ですが、それ以上に何と言っても個性的なマスターが魅力的なお店です。

少々個性的が過ぎるマスターですが、話して見ると意外とお茶目で楽しいです。なのでお腹が空いてなかったとしても近くに立ち寄ったら絶対に行った方が良いでしょう。

ようやくお客さんがきたところ

マスター(左)

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※追記・次の日も朝ごはんを食べにマル屋へ

次の日もマル屋に行ってきました。注文したのは焼きめし270円バナナジュース100円です。どちらも美味しかったのでオススメです。

ちなみマスターはもう僕のことを忘れてしまったのか、前日のように饒舌に喋ってくれずにずっと口を固く閉ざしていました。

バナナジュース

焼きめし。ボリュームたっぷりです。

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