クラシックピアノを愛し、クラシック曲を愛する誰もが気になるのが現代クラシックピアノ界で最も有名なピアニストは誰なのか、ということ。
世界中でクラシックピアニストとして活躍しているピアニストはたくさんいますが、やはりその中でも最も有名で、最高峰と称されるピアニストは誰なのかというのは気になります。
そこで今回は現代クラシックピアノ界を代表するピアニスト四天王は誰なのかを徹底的に考えてみました。
無数に存在する素晴らしいピアニストの中からたった4人を選び出すのはとても難しいですが、独断と偏見だけで選んでみたので参考にしてみてください。
選考基準
現代を代表するクラシックピアニストを選ぶ上でもっとも重要なのが選考基準。
あくまで独断と偏見で選びますが、選考基準はしっかりしていなければなりません。
今回私が用いた選考基準は以下の四つ。
- 存命であるか(または近年まで存命だった)
- 国際コンクール受賞歴はあるか
- 世界的な名声や知名度はあるか
- 高度な演奏技術を持ち合わせているか
まずは現代を代表するピアニストを選ぶので存命であることが重要です(もしくは近年まで存命だった)。
そして世界的にも有名な国際コンクール受賞歴の有無ももちろん重要。
特に世界三大ピアノコンクールと言われるショパン国際コンクール、チャイコフスキー国際コンクール、エリザベート国際コンクールでの受賞歴の有無は重要な選考要素になります。
そして世界的な名声や知名度があるかどうも重要な要素です。
現代を代表するピアニストと呼ばれる為には自分の国のみで知られているだけでは不十分で、世界各国で演奏会を開くような知名度を持ったピアニストである必要があります。
最後に重要なのが演奏技術。
ただしある程度有名なピアニストになると全員相当高度な演奏技術を身につけているのでこの点はそれほど選考には影響がありません。
現代を代表するクラシックピアニスト四天王
それでは上の選考基準を踏まえて私が独断と偏見で選んだ現代を代表するクラシックピアニストを4人と彼らの演奏の一部を紹介します。
マウリツィオ・ポリーニ
マウリツィオ・ポリーニ(1942年生)はイタリア・ミラノ出身のピアニスト。
現代もっとも高い評価を受けている世界的ピアニストの一人です。
ポリーニは5歳でピアノを始め、15歳の時にジュネーブ国際ピアノコンクールで1位なしの2位。
1960年、18歳の時にショパン国際ピアノコンクールで最年少優勝を果たしました。
しかも審査員が全員一致でポリーニの優勝に賛成し、審査委員長で有名なピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインが「ここにいるだれよりも巧く弾いている」と大絶賛したエピソードはあまりにも有名です。
ショパンコンクール優勝の後は大学に通って物理学を学んだり、ピアノの鍛錬に励んだしして10年近く鳴りを潜めていましたが、1968年から世界ツアーを再開させました。
ポリーニの演奏の特徴は「完璧さ」。
どんな難曲であろうとも一切のミスを許さず精巧なタッチで鍵盤を弾く演奏は「機械的で冷たい」と批判されることもあるくらいです。
特に有名なのがショパンの練習曲集。
この録音に対して評論家の吉田秀和は「これ以上なにをお望みですか」と賛辞を送りました。
ポリーニの演奏には「楽譜通り完璧に弾くとこうなる」という説得力があり、一度聴いてしまうと他のピアニストの演奏が異端に聞こえてしまうというきらいはあります。
しかし現代最高峰のピアニストの一人であることは間違いありません。
ちなみに小柄なのに手がとても大きくて“ド”の鍵盤から一オクターブと五度上の“ソ”(約26cm)まで届くんだそうです(私はレまでしか届かない)。
マルタ・アルゲリッチ
マルタ・アルゲリッチ(1941年生)はアルゼンチン・ブエノスアイレス出身のピアニスト。
ポリーニと同様、今現在世界でもっとも高い評価を受けているピアニストの一人です。
アルゲリッチがピアノを始めたのは2歳8ヶ月のとき。
当時通っていた保育園で同じ組の男子に「どうせピアノは弾けないよね」と挑発された時にやすやすとピアノを弾いてしまったことで音楽の才能を見出されます。
そして8歳の時にはベートーベンのピアノ協奏曲1番を公の場で演奏し話題を呼びます。
その後家族でオーストリア・ウィーンに移住し、フリードリヒ・グルダを師事。
イタリアでは20世紀を代表するピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの手ほどきを受けます。
1957年にブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝、そして1965年にはショパン国際ピアノコンクールで優勝し世界的ピアニストとしての名前を不動のものにします。
自由奔放で情熱的な演奏が特徴的で、完璧な技巧を求めるポリーニと比べると正反対に感じます。
日本とも関わりがあり、1996年より「別府アルゲリッチ音楽祭」総監督を務め、アジアをはじめ世界の音楽家との共演を行っています。
クリスティアン・ツィマーマン
クリスティアン・ツィマーマン(1956年生)はポーランド出身のピアニスト。
1973年にベートーベン国際ピアノコンクールで優勝、1975年にショパン国際ピアノコンクールで優勝し(史上最年少18歳)、ポリーニやアルゲリッチと同様に世界でもっとも高い評価を受けているピアニストの一人として数えらえれています。
楽器としてのピアノへの造詣が深く、コンサートでは自分が所有するピアノを入念に調整し、常に調律師を同行させて会場の特性に合わせて調律した上で演奏に臨みます。
初来日は1978年で、それから100回以上も日本各地で演奏会をひらいており東京に自宅があるとのこと。
ツィマーマンもポリーニ同様完璧な演奏が特徴的ですが、叙情的な側面もあってバランスが取れたピアニストと言えます。
エフゲニー・キーシン
エフゲニー・キーシン(1971年生)は旧ソ連出身のピアニスト。
上の3人と違い唯一国際ピアノコンクール受賞歴などはありませんが、そんなものは必要ないくらい幼い頃から神童ぶりを発揮しています。
キーシンがピアノを始めたのはなんと2歳。
そして10歳でモーツァルトのピアノ協奏曲20番でデビューし、12歳の時に録音したショパンのピアノ協奏曲で一躍有名になります。
その後ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、アバド、カラヤン、小澤征爾など多くの著名オーケストラ、指揮者と共演し国際的ピアニストとしての地位を不動のものにします。
幼い頃から今日に到るまで師事してきたのはアンナ・パヴロフナ=カントルという著名ではないピアノ教師のみというもの驚きです。
日本に初来日したのは1986年で、まだ15歳だったキーシンが可愛いということちょっとした話題になります。
キーシンはとにかく天才肌のピアニスト。
まさに「ピアノを弾くために生まれてきた」というような完璧で説得力のある演奏をします。
まだ40代ですがすでに不動の地位を築き上げてしまったと言っても過言ではないでしょう。
まとめ
今回は現代クラシックピアノ界を代表するピアニスト四天王は誰なのかを徹底的に考えてみました。
きっと「他にも素晴らしいピアニストはいる」という意見はあると思いますが、上の4人が今世紀を代表するピアニストになるであろうことは誰もが認めるかと思います。
私ももっと鍛錬して少しでも(0.001%くらい)彼らに近づけるように努力しなければ。
コメント
ピアニスト四天王と聞いて、読む前に自分なりに4人挙げてみましたが、見事にこの記事と一致していて笑っちゃいました。
他にも素晴らしいピアニストはたくさんいるのですが、やはり4人を選ぶとなるとこの人たち以外は考えられません。しかし21世紀はあと80年くらいあるのでもっと素晴らしいピアニストが出てくる可能性は十分あります。