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哲学芸人マザー・テラサワさん

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僕のブログに度々出て来る芸人さんに「マザー・テラサワ」という方がいます。数多の芸人の中でも僕はこの芸人さんが特に好きで、この方がきっかけでお笑いライブに足繁く通うようになったと言っても過言ではありません。

僕がこの方が好きになった理由はなんと言ってもその芸風です。マザー・テラサワさんはお笑いに哲学思想を取り入れている希有な芸人さんなんです。

「お笑いに哲学思想を取り入れているってどういうこと?」と思う方もいると思いますが、それは読み進めていくうちにだんだん分かってくると思います。

11月26日(日)に第三回単独講演会「玩具としての形而上学に関するロゴスの啓蒙」という単独ライブ(哲学セミナー?)を催されるということで、この機会にマザー・テラサワさんについて詳しく調べてみました。

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マザー・テラサワとは何者か

まずはマザー・テラサワさんがどういう人物かということを簡単にご紹介します。肖像権などは無視していますが、問題があればすぐに削除します。

こういう人です。

マザー・テラサワ

本 名:寺澤 学(てらさわ まなぶ)

生年月日:1982年6月23日  血液型:AB型

出身地:北海道

身 長:169㎝  体 重:78㎏

バスト:90㎝ ウエスト:85㎝ ヒップ:95㎝

足のサイズ:26.5㎝

趣 味:読書,絵画鑑賞,映画鑑賞

特 技:政治哲学を中心とした哲学及び社会科学,

スピードスケートの蘊蓄語り,事務作業(主に大学事務),映画の思想的解釈

免許証:普通自動車         (※オフィス北野の公式サイトから引用)

別に3サイズは知らなくてもいいですが、これだけ見ると芸人さんのプロフィールとはとても思えないでしょう。プロフィールというか履歴書と言った方がしっくりきますね。とても堅い。そして高学歴なんだということはすぐに分かると思います。それにしても特技が「政治哲学を中心とした哲学及び社会科学」って一体どういうことなんでしょう。これはなにかの技なのでしょうか。あと「スピードスケートの~」の後の漢字はなんて読むんでしょうか(たぶん、うんちく)。

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芸風・ネタについて

芸風は一言でいえば「我々の身近な物事に哲学思想で切り込む」です。要するに日常生活のあれこれを哲学的に解釈したらどうなるか、ということに挑戦しているんです。

これだけ聞いてもよく分からないと思うので僕が知っている限りにマザー・テラサワさんの代表的なネタをご紹介します。僕はとにかく説明が下手なので実際にネタを見ることをおススメします。

「スーパー・マリオ」を哲学的に解釈する

ゲーム「スーパー・マリオ」のキャラクターをマザーさん自ら演じ、そこに潜む哲学的思想葛藤を笑いにするという高度なネタです。「哲学・思想的に解釈する」とは例を挙げると、ジャンプしてコインをゲットするマリオがお金に支配されている自分に悩むとか、マリオに踏まれてずっと同じ場所を動き続ける甲羅に向かって「生きながら死んでいる存在だ!」とか言ったり、ハンマーを投げて来る敵に向かって「革マル派!」と叫んだり、といったようなことです。

スターバックスを新興宗教として解釈する

これはフリップネタです。スタバのロゴに描かれている女神「セイレーン」の神話を持ち出し、スタバと言う場所がいかに宗教的な場所なのかというのを独自の理論で説明します。とても説得力があり、かつそこまで深い教養も必要なく、笑いもありの良質なネタだと思います。

橋本マナミが安易に使ってそうな思想用語

タイトル通り、もしも橋下マナミが難しい思想用語を使ったらどういう使われ方をするか、というネタです。とても面白かったのですが内容は忘れてしまいました。

突然教室に哲学者が入ってきたら

これもタイトル通りで、腐りきった学校教育の現場に突然哲学者が乱入するというネタです。ガラスを割って入ってきて先生に説教をする様は見ものです。オチも秀逸で、これは僕の見たネタの中では最高傑作の一つだと思います。

他にももっとたくさんネタは見たことがありますが、ここまで読めば「我々の身近なものやことに哲学思想で切り込む」という意味がなんとなく分かって頂けたのではないかと思います。こんなことをする芸人さんもいて、お笑いの世界はまだまだ奥が深いんです。

テレビに出ている芸人だけがお笑いだと勘違いしているそこのあなた。是非劇場に足を運びましょう。テレビに出るくらいだから面白いことは間違いないですが、「所詮テレビ向けのネタ」だとも言えます。テレビには色々な制限があるから当たり障りのないお笑いしか見ることが出来ません。本物の狂気を見るにはお笑いライブに行くのが一番です。

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実際のネタ

何はともあれ実際のネタをご覧になった方が良いでしょう。ちょっと前のものですが、YouTubeに幾つかネタ動画が上がっているのでご紹介します。

「だるまさんがころんだ」を哲学的に解釈すると

どうでしょうか?

きっと「凄く面白い芸人だな」と思う人もいれば、あるいは「全然面白くない」と思う人もいるかも知れません。ですがこれはある意味で仕方ないのかもしれません。というのは、マザーさんのネタを面白いと思う為にはある程度の「知識」と「教養」が必要不可欠な部分があるからです。

何も「大学院を出てなきゃダメ」というほど高度な内容ではありませんが、少なくとも心の底から笑う為には一般常識と言われるものよりは+αの教養が必要ではないかと思います。

以前お客さんとして女子高生がマザーさんのネタを見ていたのですが、クスリともしていませんでした。きっと「面白くない」というよりも「何をしているのかがさっぱり分からない」という感覚なんだと思います。

とはいってもお笑いに深い造詣を持ち、かつ真剣にネタに対峙すればあなたにもそのユーモアが理解出来るのではないかと思います。というのも、マザーさんのネタの目的はあくまで「難しい哲学思想を万人に身近に感じてもらうこと」なのですから(多分そう)。

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衣装

基本的に上の写真のような背広姿にネクタイという、古文の先生にしか見えない、非常にフォーマルな衣装で舞台に立ちますが、時々バニーガール姿で現れることもあります。僕が初めてマザーさんをお目にかかった時はこの格好をしていました。そしてそのまま哲学フリップネタをやっていたので「やっぱり哲学出身の人間は変わってんな….」と思ったのを覚えています。

ヒールが折れている

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主催ライブ

左マザーさん、右りょうちゃんさん

マザーさんはライブ主催者としても精力的に活動されており、隔月で自身が命名したお笑いライブを開催しています。

笑いの現象学〇時間目

隔月で開催されるお笑いライブで、次は68時間目を迎える長寿ライブです。このライブの特徴はなんと言っても出演者の多さです。毎回出演者は50組を超え、平均で4時間続くライブです。お客さんとしてもかなりの体力を消耗するので最初から最後まで残っている強者は少ないです。最後はお客さんが一人になるということもあります。主な劇場は「阿佐ヶ谷アートスペースプロット」になります。

マザー・テラサワ定例読書会「思想のユーモア/ユーモアの思想」 

これはマザーさん主催の読書会です。毎回高円寺にある区民会館の和室を借りて、哲学書や思想書の解説をしたり(思想のユーモア)、漫画やアニメを思想的に読み解いたり(ユーモアの思想)します。アシスタントとしてピン芸人のしまだだ~よさんが同席し、対話形式で進む読書会です。

扱う内容は難しいですが、素人でも理解できるように噛み砕いて説明してくれるので分かりやすいです(多少物足りなく感じる時が無きにしも非ず)。

アシスタントのしまださん。これは夏目漱石と近代について。

マザーさんの手

ドラゴンボール

話は変わりますが、マザーさんはとにかくネーミングセンスが素晴らしいです。それだけ多くの活字に触れてきたという証拠なのでしょうか。

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マザー・テラサワさんをもっと詳しく

マザー・テラサワの思考実験室(ブログ)

「何の因果か芸人になってしまった….」

マザーさんについてもっと詳しく知りたいという方はマザーさんのブログを読んでみましょう。どうやら5、6年前にブログを開設していたみたいで、以前はかなり精力的に更新していたようです。今は毎月のライブの告知をするのみで多少寂しい気はします。

マザー・テラサワの思考実験室

思考実験室と命名する辺りも非常にウィットに富んでいます。実際にこのブログを読んでいるとマザーさんの頭の中を覗き込んでいるように錯覚します。とにかく何かについて考えずにはいられないのは哲学徒としての宿命なのかも知れませんね。

Twitter

こちらがマザー・テラサワさんのTwitterアカウントになります。こちらではほぼ毎日ライブ告知を更新しているので、最近の情報を知りたい方はフォローするのが良いでしょう。

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単独ライブ11月26日(日)

マザーさんの単独ライブが今週末にあります。その名も

マザー・テラサワ第三回単独講演会

「玩具としての形而上学に関するロゴスの啓蒙」

 

です。これを読んで「あっ、お笑いライブだ」と思う人はまず存在しないでしょう。ぱっと見は危ない新興宗教の啓蒙セミナーと言ったところでしょうか。

 そもそも修飾語が多すぎて理解するのに時間がかかります。まず前半の「玩具(遊びに用いる道具)としての形而上学」は要するに「形而上学玩具(遊ぶ道具)として見なす」ということでしょうか。そしてそれに関する「ロゴス(言語、論理、意味)」というのはつまり、「形而上学玩具(遊ぶ道具)と見なしたことの意味(?)」で、それを「啓蒙する(無知の人を啓発して正しい知識に導く)」、ということはつまり「形而上学道具と見なすということの意味正しく教えてやる」ということでしょうか?

ちょっと僕には理解出来ません。

もしかしたら「玩具」とは「お笑い」と言う意味かも知れません。つまり「お笑いに形而上学を取り入れる意味を正しく教えましょう」みたいな感じ。過去の単独ライブの名前も「玩具としての形而上学に関する複数のアポリア」でチンプンカンプンです。

実際に単独ライブを見に行ってその意味を身体で学ぶのが良いかもしれません。

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まとめ

いかがでしたか?テレビの世界しか知らないにわかお笑いファンは、こんなに個性的な芸人さんが存在していることを知らなかったに違いありません。マザー・テラサワさんに限らず、阿佐ヶ谷周辺にはもっと個性的で素晴らしい芸人さんがたくさんいて、日々劇場で芸を磨いています。

テレビとは少し違ったお笑いの世界を知るのもまた一興だと思います。劇場で生のネタを見るのは新鮮で、新しい発見に溢れているはずです。

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