5月1日から申請が始まった持続化給付金。
新型コロナの影響で売上が50%以上下がった個人事業主・中小企業に最大100万円・200万円を給付する制度です。
普段はブロガー・ウーバーイーツ配達員として生計を立てている私も、コロナの影響で旅行記事が大打撃を受けたり、配達回数が減ったこともあって収入が著しく減少しました。
というわけで私も申請が始まってから1週間後の5月8日に申請し、その9日後くらいに無事給付金が振り込まれているのを確認しました。
朝起きたら持続化給付金入ってた。これでしばらくは生活出来る。#ウーバーイーツ #ウーバーイーツ配達員#ウーバーイーツ福岡#ウーバーイーツ東京#ウーバーイーツ金沢#ウーバーイーツ大阪 pic.twitter.com/F6aVpqAUfb
— Hikaru@UberEats配達員 (@Hikaru65234309) May 20, 2020
これでなんとか来月までは生きていけそうです。
私の場合は不可抗力で売上が下がってしまいまいたが、世の中には「経営が厳しいけどそこまで売上は下がってないから給付金がもらえない」という個人事業主もたくさんいるはずです。
そういう方々に提案したいのが「仕事を休んで売上を下げるのはどうか」ということ。
あえて一ヶ月間仕事をストップして売上を0(もしくは前年度比50%減)にすれば一応持続化給付金の申請要件は満たすことになります。
ただし中には「そんなことをして給付金を受け取るのは不正受給だ」と思われる方もいるかもしれません。
そこでこの記事では
- 仕事を休んで売上を減らしてもいいのか
- 不正受給とは何か
- 不給付要件とは何か
などについて詳しく解説していきます。
※5月30日追記:申請条件と特例をまとめました。
満額100万円をもらう計算方法はこちら。
仕事を休んで売上を減らしてもOK
まず大前提として「仕事を故意に休んで売上を減らしてもいいのか」という点からお話します。
結論として仕事を休んで(もしくは減らして)給付金申請するのはルール違反(不正受給)ではありません。
持続化給付金の申請要件は次の2つ。
(1) 2019 年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。
(2) 2020 年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月が存在すること。(持続化給付金規定)
ここで大切なのは2です。
2には「コロナの影響等で売上が50%以上下がった場合のみ」とあります。
この部分だけを読むとコロナの影響を一切受けていない人は申請要件を満たしていないことになります。
しかし持続化給付金の申請書類には「コロナの影響で売上が下がったことを証明する書類」は必要ありません。
給付金を申請する時に必要な書類は
- 確定申告書の控え(収受印あり)
- 売上が50%半減した2020年対象月の売上台帳
- 通帳の写し
- 本人確認書の写し
のみです。
※確定申告書の控え(収受印)がない場合は納税証明書を併せて提出しましょう。
ここには「コロナの影響で売上が下がったことを証明する書類」は入っていません。
そもそも売上が減少したのがコロナの影響かどうか決めるのかは簡単ではありません。
コロナの影響を受けなくても時期によっては売上が下がる業種はあるだろうし、売上の一部はコロナの影響で下がって、他は別の事情で下がるというケースも無数に考えられますし、それを厳密に分けることは現実的ではありません。
要するに「本人がコロナの影響で売上が下がったと思ってればいい(つまり主観)」ということです。
これは申請要件の1を見れば明らかなことです。
申請要件の1には「今後も事業を継続する意思があること」とあります。
「意思(自分がそう思う)」を書類で証明することは出来ませんよね。
要するに申請要件というのはそこまで厳密な裏付けが必要なのではなく、あくまで自分が対象だと思えば申請要件を満たすことになる、ということです。
※ちなみに売上台帳は会計ソフト弥生で簡単に作れます。
不給付要件に該当する可能性はある
しかしだからと言って全てが安心というわけではありません。
今回の持続化給付金を管轄する中小企業庁が「今後も事業を継続する意思がない」「コロナの影響を受けてない」と判断した場合には不給付要件(不正受給とは違う)に該当すると見なされ、給付金を没収される可能性はあります。
持続化給付金規定第8条1項には不給付要件に関する対応が書かれています。
申請者の申請が給付要件を満たさないこと又は不給付要件に該当することが疑われる場合、長官は、 事務局を通じ、次の対応を行う。 ① 提出された基本情報等について審査を行い、不審な点がみられる場合等に調査を開始する。申請者等の関係者に対する、関係書類の提出指導、事情聴取、立入検査等の調査については、 事務局及び長官が委任した者において行うことを原則とし、これらの調査を行った後、当該関係者 に対する対処を決定する。なお、既に給付した給付金について調査を行う場合も同様とする。 ② 事務局は、調査の結果、申請者の申請が給付要件を満たさないこと又は不給付要件に該当することが判明した場合には、その旨を長官に報告する。長官は、当該申請者との間の贈与契約を解除し、事務局は、長官の指示に従い、当該申請者に対し、給付金に係る長官との間の贈与契約 を解除し、給付金の返還に係る通知を行う。
この場合は受け取った給付金を全額返還することになります。
全額を返還するのみでペナルティーはありません。
ただし上でも言いましたが申請要件はあくまで本人がどう思うか(本人の意思)なので、書類で証明することは出来ません。
持続化給付金の申請ページにも自分が申請要件を満たすかどうかチェックを入れるだけなので、この部分で不審かどうか見極めるのかは不可能です。
書類で証明できないことをわざわざ突っ込んでくるとはとても思えないので、可能性は限りなく0に近いと思ってもいいでしょう。
不給付要件よりも気にするべきなのは次に解説する不正受給です。
不正受給にはならない
「本当はコロナの影響を受けていないのに給付金を受け取ったら不正受給になるんじゃないか」と思われる人もいるかと思われます。
しかし結論から言って申請要件はあくまで申請要件であり、不正受給とは別です。
持続化給付金申請規定第6章には不正受給の定義が書かれています。
不正受給等((偽りその他不正の行為(詐欺、脅迫、贈賄その他の刑法各本条に規定するものを いう。)に触れる行為のほか、刑法上の犯罪を構成するに至らない場合であっても、故意に基本情報 等に虚偽の記入を行い、又は偽りの証明を行うことより、本来受けることができない給付金を受け、又は 受けようとすることをいう。ただし、基本情報等に事実に反する内容の記入があった場合であっても、これ が故意によらないものと認められるときは不正受給には該当しないものとする。以下同じ。)が判明した 場合には、第8章の規定に従い給付金の返還等を行うこと
不正受給とは要するに提出書類を故意に偽って給付金を受け取った場合のことを指します。
具体的には「提出した書類は売上0円なのに実は働いていてちゃんと売上があるケース」など。
売上が50%以上減少していないのに、故意に偽りの売上台帳を提出した場合には不正受給に該当するのでペナルティーがあります(最悪の場合は刑事告発)。
要するに「事実と異なる虚偽の申告をした場合」に不正受給となります。
「事実と異なる」というのがミソです。
不給付要件は「自分の意思」が問題ですが、不正受給は「事実」が問題なのです。
入力ミスは見逃される
しかし書類の入力ミスは十分あり得るので、故意では無い入力ミスで給付金を受け取った場合は不正受給に当たらず、上で紹介した不給付要件とされて全額返還を要求されます。
不正受給のペナルティー
仮に不正受給が認められたとすれば「給付金の全額に年3%の割合で算定した延滞金を加え、これらの合計額にその2割に相当する額を加えた額を支払う」らしいので絶対に不正受給はやめましょう。
しかも屋号まで公表されてしまうので事業継続が厳しくなってしまいます。
売上を誤魔化して給付金を受け取るのは絶対にやめましょう。
持続化給付金も課税対象
ちなみに持続化給付金も課税対象です。
持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。
要するに「持続化給付金は赤字の事業者を助けるためだから黒字になったらちゃんと税金を払え」と言うことです。
「結果的に課税対象となりません」なんてセコイ書き方です。
給付金なのに課税するなんて相変わらずこの国はどうなってんだか。
まとめ
今回は持続化給付金に関して
- 仕事を休んで売上を減らしてもいいのか
- 不正受給とは何か
- 不給付要件とは何か
について解説しました。
結論として仕事を休んで売上を下げて給付金を受け取っても不正受給には該当しません。
不正受給とはあくまで書類の改ざん(政府がよくやってるやつ)によって不当に給付金を受け取ったケースのことなので、売上があるにも関わらずに50%以上減少したと虚偽の申告をした場合のことです。
仕事を休んで売上を0にするのは不正受給には該当しませんが、場合によっては不給付要件に該当します。
ただし不給付要件で目をつけられるのはかなりのレアケースだと思われますし、その場合は全額返金だけでペナルティーはありません。
倫理的な問題に悩む人は高潔な生き方で大変結構ですが
違法じゃないし誰にも迷惑かけないならもらっとけ
というのが私の考え方です。
コロナで影響は受けなくても別の理由で事業がダメージを受けるのはありえることですし、将来のためにも受け取っておく方がいいと私は思います。
第一号補正予算で2兆3千億円が持続化給付金に充てられましたが、第2号も検討中ということなので財源の確保は出来ているのでしょう。
今後は給付対象も「雑収入」「給与収入」へと広がっていくそうなので、自分が給付の対象になるのかどうかは最低限調べておきましょう。
※5月30日追記:申請条件と特例をまとめました。
満額100万円をもらう計算方法はこちら。
確定申告には会計ソフト
確定申告はタダでさえ面倒なのに、期限がたったの1ヶ月しかないのはちょっと困ってしまいます。
最近は色んなクラウド会計ソフトが月額900円くらいで使えるので、確定申告の時期だけ使ってみるのもいいかもしれません。
ちなみに私はFreeeで開業届の書類を作りました。
無料で作れるし質問に答えていくだけなのでおすすめです。
私は副業でウーバーイーツの配達員をやっていますが配達員もちろん確定申告が必要。
面倒な確定申告は便利なソフトを使って期限内に申告しましょう。
弥生
弥生(やよい)でも簡単に確定申告書類を作成することが出来ます。
弥生は白色申告なら永年無料。
青色申告でも初年度は無料で使うことが出来ます。
私は楽な白色申告なので次回から弥生を使うことにします。
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