ある日の深夜、野方文化マーケットでベロンベロンに酔っ払ったまま環七中野方面へ自転車でヨタヨタ漕いでいた時のことである。
毎度おなじみ限界を悠々と超えてアルコールを摂取していた為に私の足元はおぼつかなく、何度もペダルを踏み外しながらも、気が触れたかのように常に笑顔を絶やさず中野駅の近くのゲストハウスへと向かっていた。
昭和軒の外観
もう少しで環七と早稲田通りの交差点に差しかかろうとした時、なにやらぼんやりと妖しい光が灯った提灯が目に入った。
提灯には「ラーメン」の文字が妖しく浮かび上がっている。
妖しい。非常に妖しい。
今までに何度も野方と中野を往復していたのにこんな場所があったことなんて気が付かなかった。というかなんでこの時間までやっているのか。もう既に深夜3時になるのに。
普段だったら特に気に留めることもなく走り去るであろうが、アルコール摂取過多で軽いハイ状態であった私はあろうことか歩道わきに自転車を止め、キ○ガイじみた笑顔のまま店のドアを開けた。
店の中
店に入ってまず目に入る光景がこれである。この写真からラーメン屋を推理することは容易ではない。
足元にはストーブに猫の餌。
室内の温度は30度を超えている。
なんと営業時間は「午後8時〜午前5時」だった。なるほどガッテンガッテン。
トースターの中にはお菓子のようなものが袋のまま入っている。まさかこれごとトーストしたわけではあるまい。
かぼちゃ。
これはなんだろう。
厨房
しばらく辺りを見渡したのち、厨房らしき場所を覗いてみると中には店主らしきおばあちゃんが一人。私の存在に気付くと奥から出てきて水を持ってきてくれた。
店内は狭い。テーブルが2つに椅子が8つ。昔ながらのピンク色のテーブルだ。
漫画もある
漫画もあった。なぜか「カイジ」が揃っている。命知らずのギャンブラー好きおばあちゃんだと容易に推測することが出来る。
メニュー
小さなラーメン屋にしては意外とバラエティに富んでいる。「かたい焼きそば」と「やわらかい焼きそば」が気になるところだ。ラーメンでいう「バリカタ」みたいなことなのか。「鍋(冬期のみ)」も気になる。
全て味見したいところではあったが初来店ということで一番オーソドックスなラーメンを注文した。
ラーメン
ラーメンを注文してから10分くらい待っていると奥の方から店主のおばあちゃんがプルプル震えた両腕でお椀を運んできた。あまりにソロソロとゆっくり運んでいたので少々危なっかしくて見ていられなかった。
一番人気だと思われるラーメン。正直に言ってとても美味しい。
チャーシューが3枚も乗っている。
海苔が完全にスープに浸かってしまったのは運んで来る時の振動が要因の一つであると考えられる。
昭和麺
ちなみに別の日に昭和軒を訪れた時は「昭和麺」を注文してみた。
ドンブリから溢れんばかりの餡が乗っている。
この量で700円は良心的だ。もちろん美味しい。
猫登場
ラーメンをすすっていると何やらテーブルの下がゴソガサ騒がしい。
下を覗いてみるといつの間にか猫が潜んでいた。
ピンクのハチマキが凛々しい。
こちらは別の猫。猫は三匹いるらしいのだがもう一匹は眠っているらしい。
店主のおばあちゃんによると50年くらい前に新宿の方でラーメン屋を創業したとか。それから野方に移ったということだったが酔っ払っていて全く覚えていない。
ラッコみたい。
とても人懐っこくてふわふわしていた。餌をあげるとすぐに飛んできた。
かなりでかい。
猫に舐めれてもテーブルにウエットティッシュがあるから安心だ。
昭和軒まとめ
- 営業時間は20:00~5:00
- 猫が3匹いる(ウエットティッシュはある)
- ラーメンが美味しい
ラーメン屋というよりも「おばあちゃんの家でラーメンをご馳走になっている」感覚である。常連さんもいるらしいが、殆ど鉢合わせたこともないのでリラックスしてラーメンを食べることが出来る。
営業時間がトリッキーなので要注意。
昭和軒へのアクセス
昭和軒は早稲田通りと環七の交差点付近にある。すなわち、中野駅、高円寺駅からは少し歩く。
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