タイの地獄寺
タイには地獄寺というおどろおどろしい名前が付けられた寺院がある。タイ通なら一度は耳にしたことがある地獄寺は、その名の通り、地獄を表現した無数の建造物が寺院の敷地内に立ち並ぶ場所のことだ。
地獄寺とは端的に言ってしまえば、地獄の様子が彫刻・絵画などを通して表現されている空間を併せもつ寺院と言えます。
大人たちは子どもが小さいうちからこういう場所に連れていき、「悪いことをしたら地獄にいってかくかくしかじかの罰を受けるよ」ということを教えるんだそうです。
タイは国民の95パーセントが仏教徒(上座部仏教)であり、タイ全土に3万もの寺院があるとされています。ちなみに日本にあるコンビニの数は約6万だそうなので、2つのうち1つのコンビニが寺院になってしまうという高い割合です。分かりにくくしてすみません。(タイの珍スポ「ワットパイロンウア」参照)
その異様さから日本では珍スポット・B級スポットとしてジャンル分けされていることが多いが、現地のタイ人にとっては大人が子どもに道徳教育をする場所としての意味合いが強い。
仏教寺院が多い日本にも同じように地獄を模した場所がいくつかある。私も小さい頃に連れていってもらって現世で悪いことをしたら地獄でこんなに苦しむんだという大嘘を散々教わったが、タイの地獄寺の数はその比ではない。
今現在知られているだけでタイ全土に最低83箇所地獄寺があるとされている。今なお新しいものが作れられているという話だから実際の数は更に多いだろう。
日本で唯一のタイの地獄寺研究家
そんなタイの地獄寺だが日本で唯一(世界でも数少ない)それを研究対象としている学者が存在する。それは現在、早稲田大学大学院博士後期課程に在籍する椋橋彩香氏である。
何を隠そう今現在知られている83箇所の地獄寺を実際に歩き訪ねたのは椋橋氏である。
椋橋氏は2016年からフィールドワークを開始し、数年かけてタイ全土の83箇所を回り、地獄寺を単なる珍スポとしてではなく、美術、宗教、風俗などを巻き込んだ一つの現象として捉え直し、体系的な研究を続けている。
氏の詳しい研究内容については最近出たばかりの著作を読まれるのが良いであろう。
こちらは写真家である都築響一さんの著作。椋橋氏は過去に都築さんとイベントで対談をしていたこともある。
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地獄寺ツアー
そんな日本で唯一の地獄寺研究家である椋橋氏が来月12月22日に旅行会社Tr!pullと合同で「タイの地獄寺ツアー」を開催する。私もこのツアーに参加する予定である。
バスを貸し切ってバンコク近郊の地獄寺(ワットパイロンウア、ワットムアン、ワット プートウドム)を1日かけて3つも回り、車内では椋橋氏から直接地獄寺に関するお話を聞け、昼食に藁で鶏肉を焼く「ガイオップファン」を堪能する。これで3200タイバーツというのは贅沢極まりない。
初めて一人でタイに来る場合は現地集合園地解散というのが多少ネックになる人もいるだろうが、実際は大したことはない。バンコクは公共交通機関もしっかりしており英語もそれなりに通じるので迷ってもなんとかなるはずだ。
むしろツアー参加者はみんな日本人なので(しかもある意味物好きだ)一人で来たとしたも知り合いが出来るから寂しいことはないだろう。
年末は色々と忙しいこともあるだろうが、地獄寺を専門家ガイドつきで3つも観光出来るツアーは他には見当たらないので同時期にタイ旅行に行く機会があればこの参加してみるのも良いのではないだろうか。
予約はこちらから。
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