マレーシアはイスラム教国なのでお寺のように各地にモスクが点在しています。
イスラム教のモスクというと「何となく敷居が高い」ないしは「ムスリム(イスラム教徒)以外は入れない」と思われがちですが、
基本的に宗教施設はどこだって誰だってウェルカム。
タイの寺院だって観光客はたくさん来てるように、宗教施設は(一部を除いて)誰でも入ることが出来ます。
マレーシアにはたくさんのモスクがありますが、その中でも最近「インスタ映えする」と日本人の間で話題になっているモスクが2つあります。
一つはプトラジャヤにある「ピンクモスク」。
外壁も内壁も全てピンク色で統一されており、「可愛い」「インスタ映え」するなどとして世界中の女子たちに大人気の観光スポット。
クアラルンプール市内から電車で簡単に行けるのでインスタ映え女子はぜひ行ってみてください(男子も)。
インスタ映えと言えばタイにもたくさんのインスタ映えスポットがありますね。
現地ツアーもあるので参加するのも良いでしょう。
そしてもう一つが今回紹介する「ブルーモスク」と呼ばれるモスク。
写真から見てもわかる通り超巨大です。
モスクの前に何台か車が止まっていますがトミカみたいにちっちゃいですね。
今回はブルーモスクの魅力とクアラルンプールからの行き方などを詳しくご紹介します。
マレーシアとイスラム教
ブルーモスクを紹介する前にマレーシアとイスラム教との関係について。
ご存知のようにマレーシアはイスラム教が国教となっています。
国旗を見るとイスラム教のシンボルである月と星が描かれています(ちなみに赤と白の線はマレーシアの13州とクアラルンプールを表現している)。
ですがマレーシアは多民族国家。
人口の大部分を構成するマレー系マレーシア人はムスリムですが、中華系やインド系のマレーシア人もいて、それぞれ仏教やヒンドゥー教を信仰しています。
なのでモスクのすぐそばに仏教寺院があったり、ヒンドゥー教寺院があったりします。
マレーシアのヒンドゥー教寺院と言えばバトゥ洞窟が一番有名ですね。
なおマレーシア政府は先住民族とされるマレー系マレーシア人のイスラム教以外の信仰を認めていませんが、実際にはそこまで厳しいわけではありません。
ただしイスラム法(シャリーア)ではイスラム教徒と結婚した場合はその相手もイスラム教徒に改宗しなければいけないとあるので、民族間の婚姻関係は少ないんだとか。
マレーシアについてさらに詳しく知りたい方はこちら。
ブルーモスクこと「マスジッド・スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ」
ブルーモスクの正式名称は
Masjid Sultan Salahuddin Abdul Aziz(マスジッド・スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ)。
長い。
Masjid(マスジッド)とは「モスク」のことで「スルタン」とは君主の意味。
Salahuddin Abdul Aziz(サラディン・アブドゥル・アジズ)というスルタン(君主)が建設を指揮したのでこういう名前がついています。
マレーシアの政治システムはちょっと特殊で、日本と似た立憲君主国なのですが、各州にいる君主が5年おきに選挙で国王(つまり君主のボス)に選ばれるという仕組み。
詳しい説明は省きますが、マレーシアは歴史的に「首長国(州)」の集合体として構成されているのでこういうシステムを取っているんだとか。
マレーシア最大
このモスクの特徴はなんと言ってもその巨大さ。
全景を写真に収めるためにはモスクから相当離れないといけません。
特にこのアルミニウム製のドームの部分は直径が51メートルもあるらしい。
つまり50メートル走が出来るのです。
小学生だったら端から端まで走り抜けるまで15秒くらいはかかる。
とてつもなく大きい。
世界中にはこのブルーモスクよりも大きなモスクはありますが、このドーム部分に関しては世界最大規模の大きさなんだとか。
ちなみに直径が51メートル(約50メートル)ということは円周は
公式に当てはめると
50×3.14=157メートル。
になります(デカイ)。
そして4本のミナレット(尖塔)は高さが142メートル。
モスク自体が巨大過ぎてあんまり高そうに見えませんが、天気が良い日にはクアラルンプールからも見える(眉唾です)ということですから兎に角高い。
中に入るにはツアーに参加
モスクの中に入るには無料のツアーに参加する必要があります。
ツアーに事前予約などは不要で、モスクの入り口付近で待っていればガイドさんから声がかかります。
ガイドらしい人が見当たらなければ写真奥の方にある事務所に入ってみてください。
一人で行っても必ず何人かのグループで回ることになります。
ガイドさんは基本的に英語であれこれ説明してくれますが、中には日本語が流暢なガイドさんも。
ここを訪れる観光客のほとんどが日本人(か他のアジアの国)のようで、欧米人は皆無でした。
中に入れる時間帯
ガイド同伴でモスクの中に入れるのは
- 月〜木:8:00~13:00、14:00~17:00
- 金:8:00~12:15、14:45~17:00
となっています。
良い写真を撮るなら午前中がおすすめ。
服装は貸し出しあり
モスクに入る際には男女とも服装に気をつける必要があります。
男性
男性は短パンやノースリーズなど露出が高い服装では中に入ることはできません。
なので入り口で青い服をレンタルします(無料)。
帽子は自由。被っても被らなくてもいい(暑いからおすすめしません)。
ちなみに私はもともと全身青かったので「そのままでいいよ」と言われました。
これくらいなら平気ということでした。
ブルーモスクに寄せたのではなく、私は普段から青い服しか着ません。
でも写真を撮りたかったので着ました。
Tシャツの上に厚手のコート(?)を着ているみたいと暑くてしんどかったです。
女性
イスラム教のモスクに入る際、女性は肌や髪は隠す必要があります。
というわけで女性はこんな感じのヒジャブを着ます。
どちらもモスクの色と合わせているのでインスタ映えします。
ブルーモスク内部の案内
人数が集まると無料のツアーがスタートします。
所要時間はだいたい45分ほどで、モスクの主要な場所でガイドさんが英語であれこれ解説してます。
体を清め洗う場所
最初に案内されるのが「ウドゥ」という顔や口や足を清める行為のための洗い場。
中には入れないので写真は外からのみですが、実はつい先ほどトイレと間違えて中に入ってしまいました。
神秘的な大回廊
続いては礼拝堂へと続く大回廊。
向こうがかなり遠いです。
これを見ればブルーモスクの大きさがなのなくわかるはず。
支柱に腰掛けながら読書(コーランかも)をしている方も。
非常に画になります。
礼拝堂へと続く回廊。
太陽の光が頭上のブルーガラスに当たり透き通った水色が美しい。
青が好きな人にはたまりません(私)。
礼拝堂
いよいよ礼拝堂へ。
外から見たらあの大きさなので内部もさぞかしだだっ広いんだろうなと予想していましたが、中に入ると以外と小さめに感じます。
やっぱりモスクを支えている大理石の体積がかなりあるからなのでしょうか。
とは言っても相当広いことに変わりなし。
頭上にあるドームとシャンデリア。
とにかく巨大。
ずっと見上げていると上下の感覚が逆に切り替わって、吸い込まれてしまいそうな恐怖すら感じます。
ドームの周りの装飾のようなデザインはアラビア語でコーランの一部が刻まれているだとか。
ガイドさんがお祈りの方法を教えてくれています。
入り口正面にある階段の上にある椅子は聖職者(イマーム)が座るため。
そして写真左(モスクの入り口正面)にあるくぼみの部分(ミフラーブ)はメッカの方角を示しています。
日本語のフリップで説明してくれます。
足が悪い人はこの椅子を使ってもいいそうです。
写真左上のステンドグラスから差し込む光がとても美しい。
宗教施設にステンドグラスを使うという考えはキリスト教とイスラム教にあっても仏教にはありません。
タイの仏教寺院は思いっきりブッダをライトアップするくらいだから、ステンドグラスも使って欲しいのですが、今のところそういう寺院は聞いたことがありませんね。
ただしキリスト教ではステンドグラスでイエスを描いたりもしますが、イスラム教はそもそも神や預言者ムハンマドの姿を描くことが禁じられている(偶像崇拝)ので幾何学的な模様のみによって作られます。
ちなみに、知っている方もいるかもしれませんが、実はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教は全て同じ神を信仰しているんです。
宗教もその起源を辿れば必ず哲学的な問いにぶち当たります。
コーランも置かれていました。
とても豪華な装丁です。
コーランの原文はアラビア語で書かれていますが、ムスリムのほとんどは多少なりともアラビア語を読むことが出来るそうです。
機会があればアラビア語も勉強してみたいですが、タイ語以上に困難が予想されます。
その他の場所
礼拝堂を見終わると次にモスクの周りを一周します。
モスクの中には教室がいくつもありここでアラビア語や英語や日本語を教えてるんだとか。
ブルーモスクのイマームたち。あの椅子に座る人ですね。
モスク建造の記録。
1983年に建設が開始され、1987年に完成。
収容人数は24000人。
モスクには他にも結婚式場や葬儀場があるそうです。
冠婚葬祭に使われるという点では、宗教施設の役割はどの宗教でも一致していますね。
まとめ
今回はブルーモスクこと、マレーシアで一番大きなモスク「マスジッド・スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ」を紹介しました。
行く前にネット上で「期待はずれ」、「時間のムダ」、「ピンクのモスクの方が良い」というような感想がいくつもあったので、多少ハードルを下げていたのですが、個人的には来て良かったと思っています。
ブルーモスクは見所はが少なめですが、実物を見るとにかく大きくて迫力に圧倒されます。
モスクの外観や、ガラスに青色がふんだんに使われているのもとても綺麗でした。
私は色の中で青が一番好きなので、色んな場所で青いものが見れただけでも興奮しました。
青好きなら絶対に訪れておきたい場所です。
ブルーモスクへ電車で行く方法
クアラルンプール中心部から電車でブルーモスクへ行く方法を紹介します。
電車でのアクセスは比較的簡単で、KLセントラル駅からKTM KomuterのPelabhan Klang行きの電車に乗り、Shah Alam駅で降りるだけ。
乗車時間は約40分です。
Shah Alam駅からはタクシーで移動します。
Grabなら4リンギット(100円)くらいなので安いです。
バスで行く方法
KLセントラルの隣の駅「Pasar Seni」からバスで行く方法もあります。
Pasar Seni駅にはバスターミナルがあります。
ブルーモスクに行くバスは750番。
毎日15分〜30分間隔で運行しています。
バスは直接ブルーモスクに行くわけではないで、最寄りから徒歩かGrabを使って行きます。
運賃は3リンギット(80円)と安いですが、時間がかかるので予定が詰まっている人にはあまりおすすめはしません。
時間に余裕がある人はちょっとした遠出間隔で乗ってみるのもアリだと思います。
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