格安航空会社LCC(Low Cost Carrier)は航空券が安いぶん、機内持ち込み荷物制限がかなり厳しいことで有名です。
元々荷物が少ない場合や、事前に預け入れ荷物を予約している場合はそこまで心配は要りませんが、怖いのは当日のチェックインカウンター。
空港のチェックインカウンターでは必ず機内持ち込み荷物の重さ(とサイズ)を測られます。
もしそこで重量オーバーが認められるとその場で高額な追加料金(場合によっては数万円以上)を支払うことになります。
せっかく安いLCCを使っているのに荷物にお金をたくさん払っては本末転倒。
一般的なLCCの機内持ち込み手荷物は7kgか10kgまでですが、普通のスーツケース自体も2.6kgから3.4kgくらいはあるので何も考えずに荷物を詰めていると重量制限を軽く超えます。
そこで大切なのがスーツケース選び。
LCC機内持ち込みに対応するスーツケースはSサイズ(もしくはSSサイズ)ですが、その中でも一番軽いものを選んでおけば重量オーバーで追加料金を払うリスクもグッと下がります。
冗談ではなくLCCに乗る時はLCC用のスーツケースを用意しないと後で痛い目にあうのでせっかくの旅行が台無しになってしまうこともあります。
そこで今回はこれまで100回近くLCCを利用している私が、LCC機内持ち込みにおすすめな超軽量スーツケースを3つ紹介します。
これから初めてLCCに乗る方や機内持ち込み荷物制限に詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
ちなみに私がよく乗るLCC各社の機内持ち込み制限はこちら。
私がLCCに持ち込む時の荷物の中身はこちらで紹介しています。
日本からタイ(バンコク)ヘの直行便LCCを比較した記事はこちら。
LCC各社の機内持ち込み荷物制限
LCCにおすすめのスーツケースを紹介する前に主要LCC各社の機内持ち込み荷物制限を見ていきましょう。
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エアアジア(AirAsia)
- 56㎝x36㎝x23㎝を超えないもの
- 最大合計7kg、2つまで持ち込み可能
東南アジアを中心に運行するエアアジア。
私もタイに行く時は半分くらいエアアジアを使っていますが、手荷物の重さは7kgまでなので少し厳しめ。
とは言っても係員のチェックは比較的甘いのでほんの少し重量オーバーしたくらいでは大きな問題になりません(ちょっとだけですが)。
スクート(Scoot)
- 手荷物2個合計10kgまで
- 機内持込手荷物の最大サイズは54cm x 38cm x 23cm
スクートはシンガポールのLCC。
私もタイに行く時によく利用しています。
一度ビジネスクラスのスクートビズ(今は「スクートプラス」)に乗りましたが、なかなかよかったです。
手荷物が合計10kgまでなのが嬉しいですね。
エアアジアと3kgの差がありますが、3kgといえば500mlのペットボトル6本分なのでこの3kgの差はかなり大きいです。
ピーチ(Peach)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 高さ・幅・奥行きの合計が115cm以内、各辺が55×40×25(cm)以内
ピーチもスクートと同じで合計10kgまで機内持ち込み可。
バニラエア(Vanilla air)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 高さ・幅・奥行きの各辺が56×36×23(cm)以内
バニラエアも10kgまで可。
ジェットスター(Jetstar)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が7kgまで
- 高さ・幅・奥行きの各辺が56×36×23(cm)以内
ジェットスターは7kgまで。
スカイマーク
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 各辺が55cm×40cm×25cm以内
スカイマークは10kgまで。
AIR DO(エアドゥ)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 各辺が55cm×40cm×25cm以内
エアドゥも10kgまで。
になります。
各社とも荷物のサイズと個数に関してはほとんど変わりませんが、重さが10kgまで持ち込める航空会社と7kgまでの航空会社があるので気をつけましょう。
- 荷物のサイズと個数は各社とも変わらない
- 重さは7kgまでか10kgまで
タイライオンエアはかなり厳しい
LCCの中でも特に機内持ち込み制限が厳しいのがタイライオンエア。
タイライオンエアの機内持ち込み荷物制限はこちら。
- 持ち込める荷物は1つのみ
- サイズは30×40×20センチ
- 重さは7キロまで
とても厳しいです。
荷物の重さは7kgまでですが、サイズがかなり小さくなくてはならず個数は1つだけです。
このサイズ規定を満たすスーツケースは国内線(100席未満)用のSSサイズスーツケースのみ。
実際のところ外寸は若干オーバーしますがスーツケースのサイズを測られることは経験上ほとんど無いので心配無用。
それよりも重要なのは重さ。
スーツケースを持っていれば必ず重さを測られますので絶対に7キロ(多めに見て8キロ)は超えないようにしましょう。
このスーツケース自体も2.6kgあるので残りの4.4キロが自分の荷物の重さになります。
さらに軽い1.9kgのキャリーバッグならこれがおすすめです。
世界ふしぎ発見 (TBS系)のミステリーハンターとしておなじみの竹内海南江さんとバッグの総合メーカーのACE(エース)が共同開発したんだそうです。
当日預け入れ荷物を追加はNG
LCCは航空券単体が安い分、預け入れ荷物を追加するのに別料金がかかります。
出発日までにネットで事前予約しておけば比較的安く済みますが、当日チェックインカウンターで預け入れ荷物を追加すると法外な額の料金を徴収されてしまうこともあります。
例えばエアアジア(成田⇆バンコク間)を例に挙げると、出発前は比較的安く済みますが
20kg | JPY 4100 |
25kg | JPY 4700 |
30kg | JPY 5700 |
40kg | JPY 8200 |
20kg | JPY 4700 |
25kg | JPY 5400 |
30kg | JPY 6500 |
40kg | JPY 9400 |
国際線(最高15キロまで) | JPY 10000 |
当日チェックインカウンターで預け入れ荷物を追加すると1万円かかります。
しかも重さは15kgまででそれ以降は1kg当たり2200円かかります。
荷物の重量オーバーしてますね。追加で1万円払って預け入れ荷物にするか荷物を減らしてください。さあどっち?
捨てるよじゃあ!捨てればいいんだろ!!エアアジアなんてもう二度と使わねえよ!!
これは成田空港エアアジアのチェックインカウンターで実際に見た光景です(私自身ではありませんが)。
ほんのちょっと重量をオーバーしたくらいだと問題はありませんが、1kgを超えるとさすがに厳しいです。
「追加料金を払うか、荷物を減らすか(捨てるか)」と本当に聞かれます。
せっかく安いLCCを使っているのに荷物代で1万円も払ってしまったら元も子もありません。
かと行って自分の荷物を捨てるのもそれはそれで辛いです。
なので荷物が多くなることがわかっている場合は事前に預け入れ荷物(受託手荷物)を予約しておくか、機内持ち込み出来るくらい軽いスーツケースを用意しておく必要があります。
LCC機内持ち込みにおすすめのスーツケース
LCCの機内持ち込みスーツケースを選ぶときの基準は何と言っても「軽さ」です。
上でも説明しましたがLCC機内持ち込み荷物の重さは7kgか10kgまで。
10kgだと多少の余裕がありますが、7kgだとたくさんの荷物やお土産を入れることはまず不可能。
しかもスーツケース自体の重さも含めて7kgですから、スーツケースの中の荷物はさらに軽くしなくてはいけません。
それほど荷物を入れていないつもりでも、いざ荷造りが終わり持ち上げて見ると想像以上に重くなっているのはよくありがちです。
ちなみに携帯用はかりがあれば便利です。
サイズは機内持込可能だけど重量オーバーで持ち込めないなんてトラブルは絶対に避けたいところですが、衣服やスマホや充電器、常備薬など海外旅行に絶対必要なものは減らすわけにはいきません。
お土産だって少しは持って帰りたくなることもあります。
そこで「いかに軽いスーツケースを用意するか」が大切になってきます。
シーンライトプラス(Siiin+Light)
LCC機内持ち込みスーツケースとして一番おすすめなのがシーンライトプラス(Siiin+Light)の超軽量スーツケース。
重さはなんと1.9kg。
これは2019年10月現在、LCCの機内持ち込み可能スーツケース(Sサイズ)の中でももっとも軽いスーツケースの部類に入ります。
一般的なSサイズのスーツケースが2.7kg~3.4kgくらいあるのを考えると驚異的な軽さ。
その差は約1.0kg。
たった1キロと思われるかも知れませんが、LCCは重量制限が7kgとか10kgの世界なので1キロの軽さは本当に重要なんです。
基本スペックはこんな感じ。
- 容量32L(←意外と大きい)
- 300円コインロッカー対応
- LCC 機内持ち込み対応
- 高さ54.5cm ☓ 幅33cm ☓ 奥行23cm
- 4輪のキャスター360度回転可能
- 静音設計(普通のキャスターの約2/3)
- 耐衝撃性、耐熱性に優れた100%ポリカーボネイト素材
- キャリーバーは3段階調節可能
取り立てて素晴らしい機能はありませんが、価格相応のスペック。
カラーも5種類もあって(ブラック、エメラルドグリーン、パールレッド、メタルブルー、ヴァイオレット)、どれもかっこいいです。
LCC機内持ち込み対応スーツケースの中では一番おすすめしたいスーツケースです。
ヒデオワカマツ
続いておすすめなのが日本のメーカー「ヒデオワカマツ」の超軽量スーツケース。
こちらもシーンライトプラス同様1.9kgしかありません。
ヒデオワカマツはソフトスーツケースなので外側にポケット3つもあって便利です。
値段もシーンライトプラスより2000円くらい安いのでかなりお手頃。
基本スペックはこんな感じ。
- 留め具の種類: ファスナー
- タテ:55 cmX ヨコ:35 cmX マチ:22 cm
- 表地:ポリカーボネート
- 無料預け入れ可能(3辺合計158cm未満)
- 容量:26L
- TSAロック
容量が26Lしかないのが少し残念ですが(シーンライトプラスは32L)、外側にポケットが3つもあるので旅程表やガイドブックを入れることが出来るのは嬉しい機能です。
しかしやはり6Lの差は大きいので荷物が多くなりそうな人はシーンライトプラスの方をおすすめします。
サムソナイトのコスモライト
最後に紹介するのがスーツケースメーカーの老舗「サムソナイト」の超超軽量スーツケース「コスモライト」。
その重量は驚愕の1.7kg。
指一本で持ち上がられる軽さです。
しかも軽いだけではなく、耐久性・衝撃性にも優れており、ボディ、ホイール、伸縮ハンドルの細部に至るまでこだわっています。
10年間保証が付いていることからもどれだけ頑丈に作られているのかが分かります。
基本スペックはこちら。
- 表地: HS Curv
- 留め具の種類: ファスナー
- スーツケースの種類:ハードケース(ファスナー)
- 三辺合計(㎝):115cm
- H:55cm/W:40cm/D:20cm
- 容量: 36L
- 10年保証(保証書付)
ボディの表面に採用されているHS Curvという素材がとにかく頑丈。
ボディに採用したのは特許技術で作られた革新的な素材Curv(カーヴ)。ポリプロピレンシートが幾重にも重ねられた構造を持ち、日常環境下だけではなく極度の低温下においても衝撃や歪みといった圧力に対し優れた耐性を発揮します。
そしてスーツケースの容量が36Lとかなり大きいのも魅力です。
超有名ブランドだけに価格もかなり高めですが、10年保証も付いているのでかなり長持ちすることは間違いなし。
使い方にもよりますが、普通のスーツケースは2、3年でキャスターにヒビが入り、もはや引きずることしか出来なくなることもあります(実体験済み)。
なので頻繁にスーツケースを使う人や使い方が荒い人は少しでも頑丈なものを買った方がベター。
ちなみにサムソナイトと同じ1.7kgという超絶軽量スーツケースがもう1つあります。
それは日本の老舗バッグメーカー「エース」のスーツケースブランド「プロテカ」。
スペックはサムソナイトとほぼ変わらず(容量は37L)Sサイズのスーツケースとしては間違いなく最上位クラス。
こちらも3年保証が付いているので一度買ってしまえば3年間は確実に使い続けることが出来ます。
まとめ
今回はLCC各社の機内持ち込み制限と、それを満たすおすすめの超軽量スーツケースを3つ(+1)紹介しました。
私が知る限りこの3つが2019年10月現在最も軽いので、LCC機内持ち込み用のスーツケースを買うのならこの3つのどれかを選びましょう。
値段や機能性のバランスが一番良いのが最初に紹介したシーンライトプラス(Siiin+Light)の超軽量スーツケース。
一万円前後でこの軽さ&機能&耐久性のスーツケースはシーンライトプラス以外にありません。
「外側にポケットが付いていた方が何かと便利」という方には「ヒデオワカマツ」の超軽量スーツケースがおすすめ。
容量が若干少なめ(26L)なのが残念ですが、外側のポケットの便利さを考えると我慢するしかありません。
折りたたみボストンバッグがあればキャリバーに通して持ち運びが出来るのでおすすめです。
サムソナイトのスーツケースは重さがたったの1.7kgしかなく、耐久性や機能性もダントツに優れていますが如何せん値段が高い。
個人的にはシーンライトプラスが一番良いと思いますが、スーツケースは消耗品なので何年もずっと使うつもりならサムソナイトを買っておいた方が安く済むのかもしれません。
いずれにせよ、LCCに乗らない場合でもスーツケースは軽いに越したことはないので、スーツケースの買い替えを考えている人は出来れば一番軽いものを購入するのがベターです。
エアアジア、タイライオンエア、スクートを利用する方は下の記事もご覧ください。
ジェットスターの機内持ち込み荷物・受託手荷物料金についてはこちら。
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