バイテックのモーターショーの続きです。
普段はこっちの方まで来る用事もないので、ちょっと足を伸ばしてBTSの最終地点であるSamrong(サムローン)まで行ってみることにしました。
サムローン駅はバンコクの中心部の南東にあり、観光スポットはあまり知られていません。強いて言えばSamrongの少し先にエラワン美術館という有名な美術館はありますが一般的な観光スポットとは言えないでしょう(遠いし)。
Samrong駅
そんな訳で適当に下町の路地裏をブラブラしようかなと思いサムローン駅に到着し、なんとなく辺りの風景なんかを見ていると何やら遠くの方に黒い巨大な物体を発見しました。
お判りでしょうか?ちょうど真ん中に何かがポツンとあります。
ズームしてみました。もうお判りではないでしょうか。巨大な像が鎮座しています。これは行くっきゃない。
という訳ですぐさまバイクタクシーを拾い、巨像があった方向を指差し「あっちの方へ行ってくれ」と言うと「はあん?」という訝しげな返答をされました。
埒があかないのでgoogleMapで地図を見せると「なんだお前こんなところに言ってどうすんだ」とという表情をされつつも連れてってもらえました。
中華風な寺院
巨像は中華風な寺院の中にあるようです。
これは一応仏教寺院なのでしょうか。
なんだかインチキくさいテーマパークっぽくもあります。
かっこいい。
こういうのって一体誰が作るんでしょうか。
漢字があります。どうやら中華系の仏教寺院であることは間違いないようです。
お参りをしている様子なのでしょうか。
寺院の敷地内には海上ハウスが。どうやらここでお坊さんたちが寝泊まりしているようです。
動物たちもいました。
親切にも矢印で巨像のある場所を教えてくれています。
ありました。
別アングルから。
お坊さんのようです。
長い階段を上がります。
到達しました。
とても神々しい、というよりも後ろの厚い雲のせいで禍々しさの方が上まっています。どうして黒い彫刻にしたのでしょうか。
写真では伝わりにくいですが、駅からも見えるくらいの大きさです。
右腕に筋肉の筋が浮き出ています。
遠くの方を見つめています。
背中もしっかり彫られています。謎の入り口がありました。
上から寺院全体を見渡すとこんな感じです。中心に池があり、中々広いです。
寺院の裏側には人の手の加わっていない自然の風景が広がります。
階段を降りるとここにもお坊さんの像が。どうしても禍々しい雰囲気を醸し出したいのでしょうか。
なぜかドラが。
どうやら若者のデートスポットにもなっているようです。恥ずかし。
巨像の正体は伝説的なお坊さん
様々なネットワークを駆使してこの巨像の謎を調べてみたところ、このお坊さんはルアンプートゥアット(หลวงปู่ทวด lǔaŋ pùu thûat)という今から400年前のアユタヤー時代に実在したお坊さんだそうです。
海水を真水に変えたなど様々な逸話が残っているお坊さんで、タイでは知らない人はいないんだとか。
このお坊さんを祀っている(?)寺院はタイ全土にいくつもあるそう。以下詳しい情報。
ルアンプー・トゥアット(別名はソムデッジ・ジャオパコーと呼ばれています)は強い霊力を持つ僧侶として多くのタイ人に信仰されているます。又、日本でもルアンプー・トゥアットの逸話をご存知の方も多く、日本でもとても人気のある僧侶です。
歴史書によると、ルアンプー・トゥアットはアユッタヤー時代(約400年前)プラマハータマラチャー王時代に生まれたのだそうです。
ルアンプー・トゥアットが生まれた家は貧しかったのですが、とても熱心に仏教を信仰していました。そんな家族の中で育ったルアンプー・トゥアットの人生には、数々の奇跡があったのだそうです。例えば、ルアンプー・トゥアットが、まだ赤ちゃんの時、床で寝ていたルアンプー・トゥアットの所に、その辺りの主である大蛇がやって来て、ルアンプー・トゥアットの周りを取り囲むようにトグロを巻いてたたずんでいたそうです。それを見てビックリした両親はその大蛇を追い払いました。大蛇の去ったルアンプー・トゥアットの胸には、綺麗なビー玉が一つ残されていました。このビー玉を手に入れて以来、この家族の生活は段々よくなっていきました。
ルアンプー・トゥアットは大きくなると、勉学に励む為に出家しました。とても頭の良いルアンプー・トゥアットは、何でも勉強し、すぐに理解することができました。出身のソンクラー県やナコンシータマラート県(シーマムアン寺やコンカーリアブ寺など)で教わるべきことは、全て習得したルアンプー・トゥアットは、船に乗りアユッタヤー都へ勉強しに行こうと思いました。しかし、行く途中で(チュムポン県エリア)天候が激しく荒れて、船が7日間足止めされました。食料も底を尽き、飲み水もない状況になり、同じ船に乗り合わせた人々は口々に「ルアンプー・トゥアットが一緒に乗っているから、天が我々を足止めしている」と言っていました。それを聞いたルアンプー・トゥアットは、小船に乗り込み海面に近づくと、左の足先を海水に浸しました。すると、ルアンプー・トゥアットが浸した海面がキラキラと輝き、輝いた海水は、真水に変わりました。船の人々はその真水を飲み、生き延びることが出来たのだそうです。
この逸話からルアンプー・トゥアットは、 「ルアンプー・トゥアット イャップナームタレーチューッ(ルアンプートゥアットがナームタレー(海水)をイャップ(踏む)とナームチューッ(真水)になる)」と呼ばれるようになったのだそうです。ルアンプー・トゥアットは、このイャップナームタレーチューッが有名ですが、他にもたくさんの逸話が残されています。
アユッタヤーにコレラが流行し、たくさんの住民が死にました。住民達は、ルアンプー・トゥアットに寄進をしてこの恐ろしい病が無くなることを願いました。この悲惨な状況に心を痛めたルアンプー・トゥアットは自ら祈祷を施した聖水を、住民達に配り飲ませました。住民達はこの聖水を飲み、コレラから助かることが出来ました。 めでたしめでたし (こちらから引用)
アクセス
Samrong駅から歩い行けますが少し距離があります。高架線の下にはバイタクが集まっているので利用しましょう。
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