今回のタイ旅行には大きく3つの目的があった。
一つはバイクをレンタルして遠くに行くこと、もう一つは友人に会うこと、そして最後の一つつがかねてから行きたいと思っていた飛行機の墓場に行くことである。
飛行機の墓場(airplane graveyard)とはバンコク某所にある、使われなくなった旅客機の機体が放置されている場所。
一部の飛行機マニア、廃墟マニアの間ではかなり有名な場所だが、一般の旅行者が訪れることはまずない。
そしてネットにはここがいつ閉鎖されたとか、実は閉鎖されていなかったとか色々な噂が飛び交っている。そこで今回はその真偽を確かめるつもりで、朝一で調査に乗り出した。
※2022年6月追記:チェンマイにも飛行機の墓場がありました↓
飛行機の墓場への行き方
飛行機の墓場があるラームカムヘンまでの行き方はタクシーかボートの二つある。
スクンビット通りからだとタクシーで120バーツくらいが相場らしくそれほど高くはないが、今回はアソークからボートで行くことにした。
ボートだとたったの17バーツだ。
運よくボートから飛行機が見えたため、ボートを降りた後はさっき飛行機が見えた場所へと歩いて行った。
地面はコンクリで両脇からは背の高い雑草が生い茂っている。
こういう終末的光景は好きだ。
しばらく歩くと遠くの方に機体が見えてきた。
直接飛行機まで行ければ良かったが、水たまりに行く手を阻まれる。
ホームレスの家族によって管理されている
するとどこからか薄汚れた服を着た子どもたちがやってきた。
彼らは水たまりに等間隔で置かれたレンガを辿ってきたらしい。
「Two hundred baht」、先頭にいた少年が開口一番そう言って手の平を出した。
私はここに入るには200バーツを払わなくてはいけないとネットで情報を得ていたので文句も言わずに200バーツを手渡した。
200バーツを手渡すと少年は何も言わずに握手を求めてきたので、私も黙って握手した。
子どもたちは木組みの簡素な家に戻って行った。
どうやらここが彼らの住居らしい。
洗濯物が干してあったり、ゴミ箱があったり、このあたりだけ生活感が漂っている。
一応電気は通っているようだ。
かなり雑な作りだが、一応家としての役割は果たしている。
家の写真を取っていると中からおばさんがすごい剣幕で「No photo」と睨んできた。
しかしこんなところに住んでいて子どもたちはちゃんと学校に行けているのだろうか。
やはり、ここら辺がタイの貧しい市民の現状なのか。
この中を覗こうとしたら怒られた。中からは鶏が鳴く声が聞こえた。
こっちはトイレになっていた。
これを撮っていたらまた怒られた。
今度は一家の大黒柱らしき男性が現れたのでさすがにこれ以上彼らの生活を写真に収めるのはやめた。
打ち捨てられた飛行機たち
写真で見るとおもちゃみたいだがそこにあるのは実際の飛行機である。
手前に2機、後方に2機あるらしいが、後ろの2機は完全に雑草に取り囲まれているため、到達するのが困難。
ちなみに全ての機体は後ろ部分が失くなっている。
色々な説があるが、かつてここが使われなくなった機体の解体場だった、という説が一番濃厚だ。
このブログによるとどうやらここにあるのはオリエント・タイ航空の機体らしい。
ドローンで上空から撮影した動画もある。
辺りには飛行機のタイヤも転がっていた。
ブリジストン製。どこかにmade in Japanとも書かれていた。
一番大きな機体
まずは一番大きな機体を探索。
前輪が格納されるスペース。
AIRCRAFT MOD 747とある。つまりこれはボーイング747だった。
それに機体のシリアルナンバーもある。
これだけの情報があればいつどこで使われた機体なのか特定できるのではないだろうか。
ここには写真はないが、機内にはTOILETに「化粧室」という日本語が書かれていた。
つまり日本の航空会社で使われていた可能性が高い。
そしてある航空マニアによるとこれはJALでかつて使われていた機体なんだとか(真偽は明らかではない)。
意外と広い。そして涼しい。
ここから前輪が出し入れされる。
機体の下。なんとか入れるが万が一押しつぶされたら命はないだろう。
機内へ乗り込んでみる
次は機内へと入ってみた。
ここからしか入る方法がなかった。
オーバーヘットコンパートメントが積み上がり侵入不可能。ネズミも走り回っている。
止む無くコックピット側に移動すると
はしごらしきものが。これで上に上がる。
実に狭かった。カバンが引っかかってしまい落ちそうになった。服が砂埃だらけになった。
2階はは付属品が全て取り外されてスッキリしている。
背骨を取られた魚の体内にいる感じだ。
ところどころ床が抜けている。ここから落ちれば大怪我だから要注意。
飛行機の先端部分には大きな落書き。
ドア。
むき出しになっている。落ちれば大怪我。
別に機体が見える。
奥の方に2階へと続く階段が見えた。そういえばボーイング747は2階建てだ。
【まとめ】午前中に行こう
朝一に行ったので運良く他の人に会わずに写真を撮ることが出来た。
だいたい1時間くらいいたのでわないかと思う。
本当はもっと多くの写真を撮りたかったのだが、暑過ぎて断念した。ここには日陰がどこにもないので直射日光を直に浴びてしまう。ゆえに日焼け止めは必須だ。
機内はサウナのように蒸し暑く長時間はいられない。相当汗だくになるのでその覚悟も必要だ。
明らかにバンコクに初めて来た旅行者が来る場所ではない。旅行上級者か航空機マニアか廃墟マニアか、それなりの動機が無ければ来る必要もないだろう。しかし、こんな場所が存在するのは世界中でも珍しいはずなのでチャンスがあったら訪れるのもアリだ。
もし自分で行ってみたいという人がいれば、出来るだけ午前中に行ったほうがいいだろう。気温的にそれほど辛くはないし人も少ない。私がここを離れる昼前にはポツリポツリと珍しい物見たさの客が到着していた。
関係者以外立ち入り禁止と書いてあるが、上にも書いたように200バーツを払えば入ることが出来る。
ただしいつ値段が変わるのかはわからないし、いつ本当に立ち入り禁止になるのかもわからない。
仮に200バーツ以上を要求されてもチップ込みだと思って払って欲しい。
彼らの生活は貧しいし、ここから抜け出す為にお金を要求しているのかもしれない。それに子どもが何人もいる。
持って行った方がいいもの
飛行機の墓場に行く時にはいつくか持って行った方がいいものがある。
まずは日焼け止め。飛行機の墓場は近くに日差しを遮ることのない広場にあるので直射日光をもろに浴びる。日焼け止めがないと全身真っ赤になってシャワーが辛い。
あまりに暑いのでこういうのがあっても嬉しい。
次に水分補給用の水筒。飛行機の中はサウナのように蒸しているので全身から汗が吹き出る。
ペットボトルだとすぐに温くなるので水筒を持って行った方がいい。
オススメは折りたたみ式のこちらの水筒だ。
飛行機にたどり着くまでに雑草を掻き分ける必要もあるので、虫除けや虫に刺されたためのムヒなんかも必須だ。
もちろんカメラも必須だ。
せっかくこんな貴重な場所に行ったのに写真も撮らずに帰るのは勿体無い。
スマホのカメラでも十分だが廃墟の中は片手だけで操作できるコンデジがおすすめだ。
両手がふさがってしまうと万が一つまずいた時に大怪我をしてしまうことも考えれる。
ちなみに私が使っているカメラはこちら。
軽くて薄くてポケットにも入る。2万円台で光学30倍ズームも嬉しい。
飛行機の墓場のアクセス
飛行機の墓場への行き方にはボートかタクシーがある。
タクシーだったらラームカムヘン大学方面へ走ってもらえればいいだろう。
ボートで行く方法の詳細はこちらから。
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