この記事ではLCCの機内に持ち込めるスーツケースのサイズと重さについて解説しています。
私はこれまでだいたい20回くらいタイへの渡航歴があります。
そのうちの9割はエアアジアやスクートといった LCC、いわゆる格安航空会社を利用しています。
そしていつもどんなに高くても往復3万円以内に収まるようなチケットを購入します。
ところがLCCというのはチケット単体が安い分、機内持ち込み手荷物制限の規定が細かく、初めて利用する時には色々と考えることが多くて面倒です。
特に悩ましいのがスーツケースの大きさと重さ。
スーツケースは旅行者にとっては必需品といっても良いですが、LCC初心者にとっては「果たしてどの大きさ・重さのスーツケースなら機内持ち込み可能なのか」という問いは極めて深刻です。
普通の航空会社と違ってLCCは機内持ち込み荷物のサイズと重さの制限が厳しく、事前に準備をしていないと、最悪の場合サイズオーバーや重量オーバーで機内持ち込みが出来ないということもあり得ます。
しかも、当日にチェックインカウンターで預け入れ荷物を追加すると、払う料金は通常よりも高額。
場合によっては数万円払うことになる可能性も考えられます。
せっかくLCCで旅行に行くのにそんなにお金を払ってしまっては格安航空券の意味もありません。
そこで今回はこれからLCCを利用する予定がある方向けに
- LCC各社の機内持ち込み荷物制限
- 重量&サイズオーバーによる追加料金
- 機内持ち込みに最適なスーツケース
について徹底的に解説していきます。
これから初めてLCCを利用する方は必ず目を通りしておくことをおすすめします。
「今すぐLCC機内持ち込み用におすすめのスーツケースを知りたい」という方はこちら。
日本からタイ(バンコク)ヘの直行便LCCを徹底比較した記事はこちら。
LCC各社の機内持ち込み荷物制限
これまで私が利用したことのあるLCC航空会社の機内持ち込み荷物制限(主にスーツケース)は以下の通り。
エアアジア(AirAsia)
- 56㎝x36㎝x23㎝を超えないもの
- 最大合計7kg、2つまで持ち込み可能
スクート(Scoot)
- 手荷物2個合計10kgまで
- 機内持込手荷物の最大サイズは54cm x 38cm x 23cm
ピーチ(Peach)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 高さ・幅・奥行きの合計が115cm以内、各辺が55×40×25(cm)以内
バニラエア(Vanilla air)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 高さ・幅・奥行きの各辺が56×36×23(cm)以内
ジェットスター(Jetstar)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が7kgまで
- 高さ・幅・奥行きの各辺が56×36×23(cm)以内
スカイマーク
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 各辺が55cm×40cm×25cm以内
AIR DO(エアドゥ)
- 手荷物+身の回りの品の2個まで。2つの荷物の合計が10kgまで
- 各辺が55cm×40cm×25cm以内
になります。
サイズ規定はどこも同じ
結論から言えば全ての航空会社の規定は、スーツケースのサイズに関して言えばだいたい同じです。
高さ・幅・奥行きの各辺が55、36、23センチ以内であれば持ち込み可となります。
タイライオンエアはかなり厳しめ
上にはありませんでしたが、タイライオンエアだけ機内持ち込み手荷物の制限がかなり厳しめです。
これからタイライオンエアを利用するという方はまず最初にこちらの記事をご覧ください。
規定を満たすスーツケースはどれ?
では、高さ・幅・奥行きの各辺が55、36、23センチ以内のスーツケースはどれなのか?
それは
Sサイズ(約縦56×横36×奥行23cm)
かそれよりもさらに小さい
SSサイズ(約縦49×横33×奥行21cm)
のスーツケースだと断言することができます。
左の青いスーツケースがSSサイズ(私の愛用品。先日車輪が吹き飛んだ)、右の赤いスーツケースがSサイズです。
ちなみにSサイズは300円のコインロッカーに入るそうです(自分では未確認)。
Sサイズの方が一回り大きいのがわかります。
やはり高さが違います。幅は若干Sサイズの方が大きい程度。
これらのスーツケースならサイズ超過で追加料金を取られるということはまずありません。
上の写真のスーツケースは一番ベーシックなスーツケースなので相場は大体3000円〜となります。
スーツケースのサイズは測られるのか
「サイズ超過で追加料金を取られることはない」と書きましたが、よくよく考えるとSサイズのスーツケースは各辺の長さが一部規定を超えていることがあります。
例えば、Sサイズのスーツケースの平均的な大きさは約縦56×横36×奥行23cmとなっています。
しかしこの大きさだと、例えばスクートの
「54cm x 38cm x 23cmまで」
という規定を一部(54cm)超えてしまっています。
おそらく多くの人はこの点を気にして「空港でサイズを測られたらどうしよう」と頭を悩ますのではないでしょうか。
しかし、私の経験から言うと、チェックインカウンターでSサイズのスーツケースのサイズを測られたことは今まで一度もありません。
めちゃくちゃ大きくて明らかにキャビネットに収まりきらないスーツケースを持って入れば話は別ですが、Sサイズくらいの大きさだったら心配無用です。
なぜ航空会社によってサイズが微妙に違うのか
考えられる説はいくつかあります。
飛行機のキャビネットの大きさが微妙に違う
スーツケースは通常頭上のキャビネットに入れます。
しかし航空会社によっては内装やキャビネットのサイズや形状が異なるから荷物のサイズに若干の違いがあるのかもしれません。
自分の国で売られているスーツケースが基準
スーツケースの同じSサイズでも国によって、メーカーによって若干異なります。
なので自分の国で一番売れているスーツケースのサイズを基準にしている可能性もあります。
サイズよりも重量オーバーに注意
スーツケースのサイズはそこまで気にする必要はありません。
問題は重さ。
荷物も2つまで持ち込み可というのは共通ですが、エアアジアとジェットスターは合計が7キロまでなので注意が必要です。
結論を言ってしまうと、重さが制限を超えてしまうととんでもない額の超過料金を取られてしまうことがあります。
Sサイズのスーツケース自体も2.8〜3.4キロくらいの重さがあることを忘れてはいけません。
LCCの重量制限は合計で7キロ、10キロとかなり厳しいので必要なものを詰めただけで軽く超えてしまいます。
仮に重量制限が7キロの場合にスーツケースの重さが3kgだったら、残りの4kgしか荷物を入れることが出来ません。
私がLCCに持ち込む時の荷物の中身はこちらで紹介しています。
たった4キロだけだと絶対に必要な以外はほとんど何も持って行くことが出来なくなります。
ほんの少し超えたくらい(300g〜500gくらい)で超過料金が取られると言うことは経験上ありませんが、1キロ近く超えてしまうと重量超過となってしまう可能性大です。
ちなみにエアアジアの成田=バンコク(ドンムアン)間のフライトの場合、当日空港のチェックインカウンターで受託手荷物を預けるのにいくらかかると思いますか?
3000円くらい?
A. 10000円。
…..ガチですか?
事実です。
エアアジアの機内持ち込み荷物は7kgまでで、それを超えてしまうと強制的に預け入れ荷物となります。
プラス1kgくらいまでは多分多めに見てもらえますが(保証は出来ませんが)、それ以上の重量超過は確実に預け入れ荷物にされます。
受託手荷物(空港カウンター)(1名様・1区間ごと) 国際線((最高15キロ)) JPY 10000
さらに預け入れ荷物の重量が15キロを超えてしまった場合は1キロごとに2200円かかります。
例えば、機内持ち込みのつもりだった荷物がチェックインカウンターで16キロだった場合は
の合計12200円の追加料金を支払わないといけないのです。
超過手荷物料金(受託手荷物・超過スポーツ用品)1キロ当たり | JPY 2200 |
出発地と目的地によって若干変わりますが、とんでもないくらい高額。
わざわざ格安航空会社を使っているのに、たった一つのスーツケースを預けるのに1万円も払っていては元も子もありません。
LCCにおすすめのスーツケースはこれ
LCCを利用する上ではスーツケース選びが一番大切と言っても言い過ぎではありません。
LCC用のスーツケースに最も要求されることは軽さ、そして耐久性。
スーツケースをデザインで選ぶ人もいますがLCCに関してはデザインよりも軽さと耐久性を重視しましょう。
特に軽さが重要。
チェックインカウンターで重量超過が発覚するととんでもない額の追加料金を請求されてしまいます。
重さ1.9kgの超軽量スーツケース
そこでおすすめなのがSiiiN+Light(シーンプラスライト)の超軽量スーツケース。
2019年9月現在、1万円前後のSサイズスーツケースに関してはSiiiN+Light(シーンプラスライト)が最も軽いです。
重さはなんと1.9kg。
1kgはわずかな差と思われがちですが、LCCは重量制限が7kgまでのところがほとんどなので、1gでも軽い方が助かります。
ちなみに1kgあれば
- 350ml缶ビール約3本
- 500mlペットボトル2本
- 米6.7合(お茶碗16杯)
- MacBook(12インチ)約1台
がスーツケースに入ります。
こう考えてみると1kgの違いはかなり大きいですね。
SiiiN+Light(シーンプラスライト)のスーツケースは相場よりも少し値段は高いですが、軽いだけではなく、耐久性や機能性にも優れているので買って損はありません。
スーツケースは何年も使うものなので、どうせなら軽くて、しかも頑丈なものを買うのがベター。
追加料金で1万円払うくらいならちょっとくらい高いスーツケースでも軽いものを用意しておくべきです。
ちなみに重さ3.9kgのスーツケースがこちら。
デザインはかっこいいし、長持ちしそうですが重すぎてLCCには絶対に向きません。
お土産をたくさん持ち帰りたい人、よくLCCを利用する人は絶対に軽いスーツケースを選びましょう。
実は1.9kgのスーツケースはもう一種類あります。
それが日本のメーカー「ヒデオワカマツ」のソフトスーツケース。
こちらもSサイズなのでもちろんLCC機内持ち込みに対応しています。
容量は26Lと少し小さめですが(シーンライトプラスは32L)その分外側にポケットが付いているので便利です。
ちなみにシーンライトプラスやヒデオワカマツよりもよりもさらに軽い1.7kgのスーツケースもあります。
スーツケース・バッグの老舗「サムソナイト」が販売している機内持ち込み可能スーツケース。
デザイン・耐久性・実用性・10年保証など、どれをとっても完璧ですが結構高いです。
さすがにスーツケースに5万円はちょっと出せません(私は無理)。
1.7kgのスーツケースが5万円もすると考えると1.9kgのスーツケースで1万円は安いです。
もし懐に余裕があるのであれば4万円出して0.2kg軽くしても良いですが、1.9kgでも十分だとは思います。
出来れば圧縮袋も高性能のものを選んでおくことをおすすめします。
私が実際に使ったレビューはこちら。
普通の透明な圧縮袋は使い込むと破けやすいし、ちょっとでも隙間があるとすぐに膨らんでしまうので、小さなスーツケースには向きません。
特に荷物はない!お土産もない!友達いないから!
という方は上の写真に写っているSサイズスーツケースでも問題ありません(私が前使ってたやつ)。
が、重量超過のような無用のトラブルを避けるためにも、出来ることなら超軽量を選んでおきたいところ。
SSサイズ(国際線向け)
SSサイズ(約縦49×横33×奥行21cm)はSサイズよりもSサイズ(約縦56×横36×奥行23cm)若干小さめ。
特に高さはSサイズに比べると低いので、その分容量も少なくなります。
お土産などが少ない人はSSサイズでも十分でしょう。
しかし、大量のマカダミアナッツを買ってしまったりした場合などはこのサイズだと入らない可能性はあります。
そういう方はSサイズの方が良いかもしれません。
一般的なSSサイズのスーツケースの相場は大体3900円〜6900円くらい。
もちろんピンキリなので超高級なものもありますが一般的には大体これくらいです。
これのスーツケースは上の写真のスーツケースです。
私が買った時は5000円くらいしました。
こちらはちょっと高めですが、前開きのポケットが付いていて急にものを取り出したい時に便利です。
SSサイズ(国内線・100席未満向け)
ちなみにSSサイズにも大きさに違いがあり、こちらは外寸が40×32×20cmのコンパクトなSSサイズになっています。
もちろん重さもSサイズより軽いので少しは余裕が出来ます(ただし容量は少ないですが)。
飛行機に乗る以外でもちょっとした旅行で使えそうです。値段も低め。
タイライオンエアの機内持ち込み用荷物にはこのサイズのスーツケースを買いましょう。
結論・LCC用のスーツケースは超軽量のSサイズ
長々と書いてしまいましたが結論として、LCC用のスーツケースはSサイズであったとしても1センチくらい長さが超えてしまっても超過料金を払う必要はありません。
そもそもいちいち乗客のスーツケースのサイズを測ったりはしません。
そんなことをしていたらチェックインに時間がかかり過ぎてとんでもない行列が出来てしまいます。
問題は重さです。
ここをクリアすれば初LCCでも何も心配することなく搭乗することができるはずです。
どうしても重さが気になる人はとにかく軽いSiiiN+Light(シーンプラスライト)の超軽量スーツケースを購入するのがおすすめです。
ちょっと値段はしますが1万円の超過料金を払うよりは全然安いです。
荷物を軽くする(?)裏技
ちなみに私がいつも使う裏技は、重そうなもの(主に電子機器)をポケットに詰めまくり、一時的に少しでも軽く見せることです。
一時的にポケットがパンパンになりますが、これがなかなか奏功します。
成田空港にはパッキングエリアがあるので、重さが制限を超えてしまったときは重そうなもの(タブレット、スマホ、デジカメなど)を全てポケットに入れたままチェックインカウンターに向かいましょう。
でもやっぱり事前にスーツケースの重さを測っておくのが無難です。
カウンターで重さを測って制限を超えてしまっていたら
あっすいません。それポケットに入れます。
とは言いづらいです。
小型の電子はかりがあれば自分の荷物の重さを事前に測っておくことが出来ますね。
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